大紀元時報

バイデン米大統領がNATO首脳会議に初参加 厳しい対中方針を採用

2021年6月24日 12時18分
バイデン米大統領が北大西洋条約機構の首脳会議に初参加:厳しい対中方針を採用(AFP/GETTY IMAGES)
バイデン米大統領が北大西洋条約機構の首脳会議に初参加:厳しい対中方針を採用(AFP/GETTY IMAGES)

6月中旬、北大西洋条約機構(NATO)同盟国の首脳陣はジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領が初参加した首脳会議後の公式声明で、中国を「体制上の挑戦」をもたらす脅威として位置付け、中国政府に対して厳格な姿勢で臨む構えを表明した。

バイデン大統領は冷戦中にソビエト連邦を中心とする共産圏(東側諸国)から欧州を保護するために創設された政府間軍事同盟「北大西洋条約機構」の焦点を広げ、中国の権威主義と増大する軍事力に対抗することを同機構首脳陣に促している。

同盟政策の布石となる首脳会議の公式声明が発表されたのは、G7サミット(主要7か国首脳会議)後に主要民主主義諸国が中国における人権問題と台湾問題を含めた声明を発表した翌日のことである。

G7の声明については、中国政府は自国への中傷と主張している。

同機構首脳陣は6月14日に発表した声明で、「中国の野心的かつ断定的な行為は、法治に基づく国際秩序と同盟諸国の安保に対する体制上の挑戦である」と明言している。

バイデン大統領はまた、集団防衛を定めた北大西洋条約第5条を米国は「厳粛なる義務と捉えている」と述べた。 さらに同大統領は、「米国が諸国を支持しているということを全欧州諸国に認識してもらいたい」とし、「米国にとって北大西洋条約機構は非常に重要である」と表明している。

バイデン大統領は、2001年9月11日に過激派テロ集団「アルカイダ」による攻撃で倒壊した米国のワールドトレードセンターの破片が追悼として展示されている北大西洋条約機構本部を訪れた。

北大西洋条約機構が北大西洋条約第5条を発動したのは、後にも先にもこの「米国同時多発テロ事件」が初めてである。第5条には「締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃と見なす」と定められている。

北大西洋条約機構の首脳会議後の6月16日にスイスのジュネーブで開催されたウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領との米露首脳会談に臨んだバイデン大統領は記者会見で、中国とロシアは欧米の同盟関係の分断を試みていると述べ、米国はロシアとの紛争を望まないとしながらも、ロシア政府が「その有害な活動を継続する」場合は北大西洋条約機構も黙っていないと明言している。

「中露は両国共に、欧米の同盟諸国の結束を裂こうとしている」と述べたバイデン大統領は、ロシアとウクライナの紛争においてはウクライナを支援するとも誓約している。

同大統領は、「米国はウクライナが自国の物理的安保を維持できるように支援する」と述べている。

中国を巡る対応については西側諸国内で異なる戦略が存在しているが、米国の指導力の下で北大西洋条約機構は団結するとして同盟の結束を強調した同大統領は、「米国は戻ってきた」と述べて、揺らいでいた同機構との関係修復に努める姿勢を示している。

2021年の任期をもって同年9月に辞任する意向を示しているドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、最後の出席機会となった今回の北大西洋条約機構首脳会議でバイデン大統領の会議参加を「欧米関係の新たな章の幕開け」と表現した。メルケル首相はまた、中国との相関関係を適切に維持しながら、同国を潜在的な脅威と捉えることが重要であると話している。

同首相は記者会見で、「サイバー脅威とハイブリッド脅威を考えれば必然的に中露の協力体制に目が行く。中国を単純に無視することはできない」とし、「しかし、過剰措置はいけない。適切なバランスを見つける必要がある」と述べている。

北大西洋条約機構のイェンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は、中国がバルト諸国からアフリカに至るまでの地域で軍事的存在感を高めていることで、北大西洋条約機構は核武装で準備を整える必要があると話している。

ストルテンベルグ事務総長は港湾や電気通信ネットワークに言及し、「中国が迫ってきている。サイバー空間にもアフリカにも中国の存在感がある。

しかも、中国は我が同盟諸国の重要インフラに多額の投資を行っている」と主張している。 同事務総長の発表によると、首脳陣は機構同盟国の共通予算への拠出を増額する方針でも合意している。同機構の軍事費の大部分は同盟国によって個別に処理される。

英国で開催されたG7サミットに参加した主要民主主義諸国は、新疆ウイグル自治区の人権問題、香港の高度な自治の維持、新型コロナウイルスの起源に関する徹底調査の必要性を訴えて中国を批判した。

中国政府にはリスクもあるが、見返りも期待できると述べたボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は、「今回のサミット参加国の中で中国と新たな冷戦を始めたいと思っている首脳がいるとは思えない」と語っている。

欧州における港湾インフラへの投資やアフリカへの軍事基地建設計画からロシアとの合同軍事演習に至るまで、あらゆる側面で見られる中国の台頭には強力な措置で対応する必要があるという点で同機構首脳陣の意見は一致しているが、実質的な交渉担当者等は多面的な措置の必要性を強調している。

機構同盟国が中国との経済・貿易関係への悪影響を懸念していることも事実である。ドイツ政府のデータによると、ドイツと中国の間における2020年の貿易総額は25兆7,000億円相当(2,570億米ドル)超に達している。米国のデータでは、2020年の米中貿易総額も55兆9,000億円相当(5,590億米ドル)に及んでいる。

(Indo-Pacific Defence Forum)

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