アフガンから米国人4500人の退避完了、残り約1500人=米国務長官

2021/08/26
更新: 2021/08/26

[ワシントン 25日 ロイター] – ブリンケン米国務長官は25日、アフガニスタンになお約1500人の米国民が残っており、その一部には既に首都カブールの空港への移動について指示を出し、残る米国人にも連絡を試みていると明らかにした。

今月31日の米軍撤収期限が迫る中、政府はこれまでに4500人の米国民とその家族を退避させたという。

長官は、米政府の試算に基づき、退避活動の開始時点でアフガンに滞在し、退避を望んだ米国民は6000人いたと説明。現在残っている1500人のうち500人には過去24時間に直接連絡を取り、カブールの空港に安全に移動する方法について詳しく指示を出したとした。

出国を望んでいるとみられる残る約1000人には「さまざまな通信手段を通じて1日に何度も積極的に連絡を取ろうとしている」と述べた。この数に米国永住権(グリーンカード)を持つ人は含まれていないという。

ただ、実際にアフガン出国のための支援を強く求めている米国民は1000人を「大きく下回る公算が大きい」との見方を示した。

また、これまでにアフガンから退避した8万2000人超のうち、女性と子どもが45─46%を占めると明らかにした。

ブリンケン長官は、外国人を含め、アフガンからの退避を望む人を支援する活動に期限はないとし、8月31日以降も希望者が退避できるよう、あらゆる外交・経済的支援の手段を活用すると表明した。

ただ、米軍撤収後にどのように退避希望者の支援を行うのかについて詳しい説明はなかった。

イスラム主義組織タリバンが首都カブールを制圧して以降の10日間に米国と同盟諸国は過去最大級の退避活動を展開し、これまでに8万8000人超を国外に移送。このうち1万9000人は過去24時間に移送した。米軍によると、39分毎に航空機が離陸している計算になるという。

退避希望者の空中輸送は31日まで続く見通しだが、米軍は最後の2日間は兵士の撤収が優先されると明らかにしている。

国防総省のカービー報道官は、撤収期限後の米軍の退避活動への関与は想定していないと表明。世界各地に現在の所在地からの退避と米政府の支援を求めている米国人がおり、ブリンケン長官はそういった国民への支援について話していたとし、「そのような支援で軍が役割を果たすとは見込んでいない」との認識を示した。

Reuters
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