大紀元時報

第二列島線上のパラオ、海自と訓練 8月初旬には米長官と防衛義務を確認

2021年9月3日 09時16分
太平洋の島国であるパラオ共和国のロックアイランドの全景。 2018年2月15日撮影(Photo by MIKHAIL FLORES/AFP via Getty Images)
太平洋の島国であるパラオ共和国のロックアイランドの全景。 2018年2月15日撮影(Photo by MIKHAIL FLORES/AFP via Getty Images)

1日、海上自衛隊インド太平洋方面派遣部隊が太平洋島嶼国地域を初訪問し、パラオ海上保安局とともに、親善訓練を実施した。防衛省は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を、世界中で進めるとコメントを発表している。

この訓練の海空域は、西太平洋のミクロネシア群島に位置するパラオ周辺。2日から4日にかけて、同国コロール港に寄港する。海自からは護衛艦「かが」、「むらさめ」、「しらぬい」そして搭載航空機(SH-60K) が参加した。パラオは海上保安局巡視船「ケダム」、「レメリーク2」が参加した。主に通信訓練、戦術運動、捜索救難訓練などを行った。

パラオは、8つの主な島と約340の小さな岩礁からなり、人口は約2万人。 パラオは独立以来、米国の自由連合協定に加盟しており、独自の軍事力を持たず、米国がパラオ防衛のための軍事的義務を負っている。

パラオの大統領スランゲル・ウィップス(Surangel Whipps, Jr)氏は8月2日に訪米し、ロイド・オースティン国防長官と会談している。米国防省および米VOAによると、双方はパラオにおける米軍駐留の必要性と中国に対する抑止力強化の可能性について話し合った。

中国共産党の軍事増強と拡張主義により、日本の南西諸島から台湾、フィリピンに続く列島線「第1列島線」を突破する勢いも増している。専門家は、中国の備える中長距離ミサイルはグアム、インド太平洋地域、そして米国本土の脅威となっているため、米軍がパラオなど「第2列島線」の国に米軍を駐留させ、リスクを分散させる可能性があるとみている。

第二列島線は、日本の小笠原諸島、グアム・サイパン、パプアニューギニアまでのラインを指す。

2020年8月下旬には、マーク・エスパー元米国防長官が現職米国防長官としてパラオを初めて訪問した。長官と面会したトミー・レメンゲサウ前パラオ大統領はのちに、長官に手渡した書簡の中で「米国はパラオに基地や港、空港など共同利用が可能な軍事施設を建設し、定期的に使用することを歓迎する」と伝えたことを明らかにした。 レメンゲサウ氏はまた、パラオに米軍の常時展開を求めたという。

米国防長官、パラオなど太平洋3地域を8月末歴訪 防衛レーダー予定地

米政策シンクタンクである戦略・予算評価センター(Center for Strategic and Budgetary Assessments,CSBA)は2019年5月、中国の拡張を抑止するため、第一列島線における軍事強化を提案した。各島には、全領域に同時に対処可能な「マルチドメインタスクフォース」の設置や陸上配備の地対海・地対空ミサイルを配備して、敵軍が列島線を突破するのを防ぐことを提唱した。

現に米軍はこうした列島線における防衛能力強化を図っており、2019年10月以降、パラオに沿岸監視システム、宇宙基地のレーダーを整備している。また、グアムにはミサイル迎撃システムイージスアショア」含む防空システムを、ハワイにもまた防衛レーダー・システムを設置する計画がある。

想定されるマルチドメインタスクフォースは長距離精密兵器、超音速ミサイルなどのほか、敵軍の動きを効果的に抑制できる電子戦やサイバー能力も備えるものと予想している。

シンガポール国際問題研究所(SIIA)の上級研究員・胡逸山氏は、VOAに対して、米国がパラオでの軍事展開を強化する場合、主に中国が第二列島線を越えるのを防ぐためではないかと答えた。また、パラオは台湾と外交関係があるため、米軍によるパラオの軍事配備は、パラオにおける米台間の軍事交流にもつながる可能性があると述べた。

(翻訳編集・佐渡道世)

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