新疆ウイグル自治区ホータンにある収容施設。監視塔らしき建物に人影がみえる。2019年3月撮影(GREG BAKER/AFP via Getty Images)

地方から高まる声...中国人権問題を非難する意見書、9月は10地方議会で可決

9月下旬、福岡県の八女市議会と小郡市議会で、中国の人権侵害に国際的な連携のもとで解決に向けて働きかけるよう政府に求める意見書が、それぞれ全会一致で採択された。同様の意見書は9月だけで全国10の地方議会で可決している。人権問題への対処の強化を求める声が、地方から高まっている。

八女市の意見書は、米国政府が前政権時代からウイグル自治区における民族弾圧をジェノサイドと認定していることや、欧州諸国の議会でも同様の認定動議が提出されるなど、中国の人権侵害については主要国が認識を共有させていると指摘。「民族弾圧や文化の破壊を行い、不当な差別、人権を侵害する行為に対して、断固として非難と抗議の声を世界中から上げなければなりません」と意見書は記している。

関係者によると、全会一致で採択された意見書だが、一部議員からは「人権弾圧は証拠のない主張」との意見もあった。大紀元の取材に答えた八女市議会議員のひとりは、「現地にいくことで証拠が確認できるだろうか。行っても隠蔽されるかもしれない。(報復の恐れがあり)地元の人々にインタビューもできない。帰ってこられる保証もない」と述べ、すでに信頼性の高い海外の人権報告や議会決議があり、これらは弾圧の実態を示す十分な資料であると語った。

八女市で請願を提出した市民団体代表の近藤将勝氏は、在日ウイグル人の窮地を直接聞き、運動を行うことを決めた。「中国本土で家族が人質として囚われている。日本にいる彼らが抱える問題を、知らん顔でいいのか。『地方がやることじゃない』という声もあるが、史上最悪の人権蹂躙に毅然とした態度を示すべきだ。政府を後押しするために、地方議会からどんどん意見書を提出する運動を進めたい」と取材に答えた。

近藤氏は、福岡に来訪した中国臓器強制摘出問題を調査するカナダの人権弁護士デービッド・マタス氏の講演会も主催した。「(中共は)法輪功の人々を収容して臓器を抜き取っている。このような残忍なことが今世紀で許されていいはずがない」と語気を強めた。

中国人権問題非難決議が今年の通常国会で見送られたことは、地方議会における動きを活発にした。6月以降、20を超える地方議会で同様の意見書が可決した。9月28日に全会一致で可決した広島市議会の意見書は、主要7カ国(G7)のうち日本を除く6カ国が、中国に対して人権問題を理由に制裁を課すなど、すでに厳しい態度を示したと指摘。日本は中国に対して、国際社会の共通価値を遵守するよう強く求めるべきだと要望した。

今回の自民党総裁選においても、中国人権問題は議題に取り上げられた。29日に新総裁に選出された岸田文雄元外務大臣は、選挙期間中の対中国人権非難決議に関するアンケートで「時期はわからないが、採択するべきだ」と回答。また、国際NGO団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」などが主催した人権侵害者に対する制裁法導入を肯定し、総理補佐官級ポストとして人権問題担当官の新設を進めることも掲げている。

人権侵害制裁法、総裁選3候補が支持を明言 「日本は立場転換を」NGOが訴え

(佐渡道世)