2019年4月27日、新疆ウイグル自治区ホータン地区の郊外にある再教育収容所(Shutterstock)

「一晩で数百人逮捕」中国の元警官、ウイグル族迫害の実態を証言

ヨーロッパに亡命中の元中国警察官が、新疆ウイグル自治区でのウイグル人に対する拷問の惨状を匿名で暴露した。CNNは10月4日に独占インタビューを掲載した。

2015年、警察官として10年以上勤務していた江員さん(仮名)は、「新疆支援」という公文書を受け取った。テロ対策の一環として、全国から15万人の警察官を新疆に投入するという内容だった。彼はその対象になった。

全国から招集された警察官は、当局から提供された名簿に基づいてウイグル人を逮捕していた。「ウイグル人は国家の敵だ」と教え込まれていた。

各家を回って数百人を家から引きずり出し、手錠をかけた。地域の住民委員会に依頼し、地域住民との会合を開いてもらい、参加者を一斉に拘束することもあった。

「一晩で住民数百人を全員逮捕した。逃げられる人は一人もいなかった」という。

1年間で90万人以上のウイグル人をはじめとする少数民族が拘束された。

江さんは新疆の各地に3、4回派遣されたが、次第に仕事や弾圧という目的を疑うようになった。彼は数百人の逮捕に関わったが、「誰も罪を犯していない。みんな普通の人たちだった」という。

尋問の際には、老若男女を問わず、すべての容疑者が食べ物や水を与えられず、殴られていた。最年少で14歳の子供までいたという。

「警察は自白させるために、容疑者を踏みつけたり、蹴ったり、殴ったりしていた。拷問の方法は様々である。時には強力スタンガンやロック付きの鎖を使うこともあった。他にも、『虎の椅子』と呼ばれる拷問道具に手足を縛りつけたり、手首から吊り下げたりするほか、性的暴行、電気ショック、水責めなど様々な拷問が行われた」という。

虐待や拷問が終わるのは、容疑者が罪を認めたときだった。その後、容疑者は守衛が配置された刑務所や収容所などの施設に移送される。

江さんは、尋問の際には「悪い警官」を演じなければならなかったが、なるべくひどい暴力を避けるようにしていたと述べた。一方、同僚のなかには「仕事だと思っている人もいれば、ただのサイコパスの人もいた」。

新疆に派遣される前から、深刻化する中国共産党の腐敗に幻滅していたと江さんは言う。彼は中国を脱出してすべてをさらけ出すことにした。「中国共産党は人民に奉仕するふりをしている独裁的な支配者集団である」と指摘した。

江さんは、自分が中国に帰れないことを知っている。「必ず半殺しにされる。彼ら(中国当局)は、反逆罪、国家機密の漏洩、国家政権の転覆、テロ組織への関与など、考えられるあらゆる罪で私を逮捕するだろう」と語った。

現在ヨーロッパに住んでいる江さんは、不眠症に悩まされ、拷問に苦しんでいる人々の映像が頭に浮かぶと、精神が崩壊しそうになる。

「たとえ上の命令を遂行しているだけでも、起こったことには責任を持たなければならない」と江さんは言った。

12人に集団レイプされた男性の証言

CNNは新疆ウイグル自治区のウイグル語学者アブドゥウェリ・アユップさん(48)にも取材した。

アユップさんは2013年8月19日に拘束された。当日、ライフルを持った警官がアユップさんが子供たちにウイグル語を教えるために開いた幼稚園を取り囲んでいた。拘束された最初の夜、彼は「3、4人の刑務官の指揮のもと」で、12人の囚人に集団レイプされた。

アユップさんは攻撃を受けている最中に意識不明になり、目が覚めると汚物まみれになっていたという。

「違法な資金調達」という罪を自白させられた後、労働キャンプに移送され、2014年11月20日に釈放された。

現在、ノルウェー在住のアユップさんは、子供たちにウイグル語を教えたり、ウイグル文化を伝えるために本を書いたりしている。拷問を受けたことについて、「私にとってはトラウマになるような経験だった」と語った。

悪夢のような投獄生活を終え、8年経った今、彼はもう刑務所の看守を恨んでいないと話す。「彼らもあのシステムの被害者だから」

 

(翻訳編集・王君宜)