ラーム・エマニュエル次期駐日大使は20日、上院外交委員会の公聴会に出席し、所信を表明した (Photo by Alex Wong/Getty Images)

日本での3年間、米国の向こう30年間の姿勢を決める=次期駐日米国大使

米上院外交委員会では20日、次期駐日大使、中国大使、シンガポール大使らの指名承認公聴会が開かれ、それぞれ所信を表明した。駐日大使に指名されているラーム・エマニュエル元大統領首席補佐官は、自身の大使就任期間の3年間における日米関係の構築は「米国の次の30年の姿勢を決定するだろう」と日本との連携重視を強調した。

エマニュエル氏は公聴会で、中国共産党による長期的な脅威について述べた。「中国は地域を分断して支配しようとしているが、米国の安全保障戦略は団結によるものだ」と違いを鮮明にし、「地域の団結は日米同盟の上に築かれている」と付け加えた。

さらに、「60年以上に渡る日米のパートナーシップは、自由で開かれたインド太平洋における平和と繁栄の礎だ」「米国が直面する課題は、最も緊密な同盟国である日本との絆の強化が不可欠だ」と述べた。

駐日米国大使は、2019年7月にビル・ハガティ氏が辞任して以来、空席のままだ。エマニュエル氏は、最近、岸田政権が防衛費の長年の上限であるGDP1%の枠に止まらず増額する方針を示したことを評し、脅威レベルの上昇に対応するため「インド太平洋地域における戦略は重要な分岐点を迎えている」とした。

エマニュエル氏は、日米協力の他の側面として、気候変動、インフラ、知的財産保護への投資、サプライチェーン安全保障、そして半導体に関する日本との連携強化が重要であると強調した。

シカゴ市長で民主党の政治家であるエマニュエル氏にとって、外国大使の就任は初めて。このほか、1990年代にはビル・クリントン大統領の上級顧問、バラク・オバマ元大統領の首席補佐官、下院議員を3期務めた。

19日、ジェン・サキ米大統領報道官は記者会見で、次期駐日大使に指名されたエマニュエル氏について「バイデン大統領は政策立案の幅広い経験に期待しているだろう」と述べた。

いっぽう、次期中国大使に指名されているニコラス・バーンズ元米国務次官は公聴会で、中国は数十年に及ぶ「米国にとって最も危険な競争相手」と表現し、強硬姿勢を示した。さらに、中国が主張する最低限の核抑止力を維持との公約はあからさまに破られていると批判した。

バーンズ氏は、新疆ウイグル自治区やチベットにおける人権侵害にも言及。米国は「一つの中国」政策を堅持しつつ、台湾の防衛力強化を支援する必要があると述べた。また、米国がインド太平洋地域での軍事的地位を維持し、日本や欧州との連携を強化するべきだと主張した。