中国当局は10月12日、電気料金を巡って新たな指針を公開した(FRED DUFOUR/AFP)

中国当局、電気料金を実質上値上げへ 石炭価格高騰で

電力不足に見舞われている中国当局は12日、実質上の電気料金の引き上げを決定した。中国企業は生産コストのさらなる上昇に直面している。

中国国家発展改革委員会が12日に公表した通達は、石炭火力発電市場の取引価格の値幅範囲について、「現行の10%の上昇変動幅と15%の下降変動幅」から、「原則上下変動幅の限度を20%」に変更した。

鉄鋼や化学など、電力を多く使う「高エネルギー消耗企業」が電力会社と取引する際、「上下変動幅限度20%」の制限を受けないとした。鉄鋼業などの企業は他の業界と比べて、より高い電気料金を負担しなければならないと示唆した。

中国エネルギー情報サイト「国際能源網」によると、23日時点では、国内の17省の政府は国家発展改革委員会の指示を省内の企業や関連政府機関に伝達した。一部の省の電力市場の値幅変動は20%を上回った。雲南省などでは、電気料金の上昇幅が50%、内モンゴル自治区では80%に達した。

中国紙・証券時報の傘下メディア「e公司」は26日、一部の企業は電気料金の値上げによる生産コストの高騰と、セメントや電解アルミなどの価格上昇を懸念していると伝えた。

いっぽう、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)26日付によれば、中国指導部内では、今回の電力危機を巡って意見が対立している。一部の高官と国有企業は、電力危機が起きた原因は、李克強首相が主導する電気料金抑制政策にあると批判した。

李首相は、電気料金の急上昇は「社会的な悪影響をもたらす」として、企業の生産コストを抑えるために、2018年と19年に電気料金を10%、20年にさらに5%値下げするよう指示したという。

今年に入ってから、オーストラリア産石炭の輸入制限や、習近平当局による国内石炭鉱業への安全調査などが主因で、中国国内の石炭価格が押し上げられた。WSJによると、中国の動力用石炭(一般炭)の1トン当たり基準価格は、3月初めの580元から9月24日の1079元に上昇した。

「e公司」は、中国の火力発電会社の大半は石炭価格の急騰で「赤字」となっており、「経営環境が非常に厳しい」とした。

中国当局は電気料金値上げを通じて、製造業へ石炭価格上昇分を転嫁する狙いだとみられる。

(翻訳編集・張哲)