湖南城市学院(ファイル写真)

中国で密告風潮 日本人称賛の大学教授、教壇から追放される

中国では密告の風潮が高まっている。湖南省にある湖南城市学院の哲学科教授である李剣氏は、授業中に日本人を称賛したことを学生に密告され、図書館勤務への降格異動させられた。

李氏は6日、インターネットに長文を掲載し、大学から不当な扱いを受けていることを訴えた。それによると、同氏は4月28日、建築文化概論の授業で日本の建築を紹介し、「日本人が仕事を極めている」と発言したところ、ある学生がその場で机を叩いて罵声を上げ、授業後に大学に報告したという。

同校の幹部らは、李氏の発言を「偏っている」と批判し、「すべての日本人がそうではないからだ」と主張した。7月20日、学校の人事課は李氏に図書館への異動を命じ、事実上の処分を下した。

10月19日の朝、彼は同大教職員のチャットグループで「心身ともに疲弊しているので、敗北を認めて紛争を終わらせる」という声明を発表した。しかし、その日の夕方、省委員会の巡視組に対する学校側の最終報告書を見て憤慨し、再び異議を申し立てた。

湖南城市学院人事課は報告書で、「李剣は教育レベルと能力が不十分なため、授業で社会主義の中核的価値観を確立するよう学生を導くことができない」と処分の正当化を図った。

湖南城市大学のウェブサイトに掲載された過去のプレスリリースによると、2018年、李氏が主宰する哲学研究プロジェクトが、国家社会科学基金の後期助成プロジェクトに選ばれた。同年、彼は同校の基幹人材として、湖南省の「351人の人材育成プロジェクト」のリストに選ばれた。

湖南省の時事コメンテーターの李昇氏は9日、米政府系放送局のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、「政府は教師の発言を監視するために、学生の中に多くの情報提供者(スパイ)を配置している」と述べた。

近年、中国当局は言論統制を強めており、教師が授業中の発言で罰せられることが多くなってきている。

浙江伝媒学院(伝播メディア大学)文学院の趙思雲副院長は、2018年の入学式で学生に自立した人格の育成を促すスピーチの中で、「国と人民に対する深く誠実な愛を持つ者だけが、社会の暗部を批判する。広い心を持つ者だけが、人生の悪を見つけて暴露する。彼らは、それが責任であり、現代の市民に課せられた義務であることを知っている」と述べた。

このスピーチは、地元の主要紙である「銭江晩報」に大きく報じられた。だが、このスピーチはある学生によって撮影され、告発された。趙氏は最終的に大学から「党内厳重警告」処分を受けた。

中南経済法大学行政学部の准教授だった翟桔紅氏は、授業中に習近平総書記の憲法改正を批判したとして学生から告発された。2018年5月、翟氏は停職処分を受け、党から除名され、教員資格を失った。

米ニューヨーク・タイムズ紙2019年の報道によると、中国ではここ数年、数十人の大学教員が授業中の発言を理由に学生から通報され、停職や解雇などの処分を受けた。

(翻訳編集・王君宜)