2021年6月25日、中国・北京で、新設された中国共産党博物館の前を歩く警察官 (Kevin Frayer/Getty Images)

中共、マルクス主義推進 欧米の国際秩序に挑戦=報告書

米議会の米中経済・安全保障問題検討委員会(USCC)は17日、年次報告書を発表した。このなかで、中国共産党政権は現在の国際システムを破壊し、中国主導のマルクス主義システムに置き換えようとしていると指摘した。

超党派の諮問委員会であるUSCCは551ページに及ぶ報告書をまとめ、中国共産党が民主主義国家に与える脅威を概説した。このなかで、中国共産党のマルクス主義的なイデオロギーと批判を受け入れない姿勢が、世界を紛争へと導いていると指摘した。

「中国共産党は権威主義的な支配を正当化するために、自らの政治モデルの優位性を主張し、批判や失敗を認めることは自らの正当性を脅かすものとみなしている」と記した。また、中国共産党幹部の間では「中国と西洋との対立に備える」との主張が増えており、「強敵(米国)」に対抗する姿勢を強めていると述べた。

さらに中国共産党は、政府全体でアプローチを取り、米国とその同盟国の弱体化を目論んでいると明らかにした。中国共産党は、海外での影響力を拡大するために、国際機関を破壊し、それに代わる新たな地域機関や国際機関を構築することに専念しているとした。

11月8日から11日まで北京で開催された中国共産党の政治会議「6中全会」では、マルクス主義に基づく「中国の特色ある社会主義」を指導的な精神とし、「人類の平和と発展を促していく」と強調した。

USCCキャロリン・バーソロミュー委員長は、17日に行われた報告書発表イベントで「中国共産党政権は『人類の発展を促進する新しいモデル』を世界に提供すると豪語しておきながら、侵略や戦狼外交、威圧を強化している」と非難。インド太平洋全域および世界各地は、中国の台頭に対し、懸念を一層強めていると述べた。

中国共産党の野心

USCCのジム・タレント氏(元上院議員)は、中国共産党はその野望を「グローバル」に展開していると述べた。権威主義的なイデオロギーを持ち、世界における米国の立場に取って代わることを指向していると指摘した。

「中国共産党の意図は『人類運命共同体』に向けて前進することだ。既存の国際秩序を、中国を頂点とするヒエラルキーに置き換えようとしている」と危機感を示した。

報告書では、人民解放軍が使用する軍事教科書や政治戦などを元に、中国共産党が海外で実現しようとした複数の野心の事例を紹介した。

人民解放軍の最新版の教科書には、政治戦に関する章が設けられ、将来の紛争では、敵の「離反を煽る」訓練を受けた「隠れ蓑」が必要になると書かれている。

また、中国外交担当トップの楊潔篪共産党政治局員が米中関係を建設的な軌道に戻すため、バイデン政権に政策変更を要求した事例も挙げた。中国側は、新疆ウイグル自治区や香港、チベットなど、中国が内政と見なす問題に米国が干渉するのをやめる必要があると強調。「侵害した場合は、中米関係と米国の利益は深刻に損なわれる」と中国が「核心的利益」と位置づける問題では一歩も譲らない構えを見せた。

報告書は「楊氏の発言は、中国がもはや協力や共通認識を求めているのではなく、米国が中国のすべての意向に従わなければならないことを示唆している」とした。