ゴールドマン・サックスのアナリストは、米国主導の石油備蓄協調放出について、原油供給が約7000万─8000万バレル増える可能性があるが、増加幅は市場が見込んでいた1億バレル超を下回るとの見方を示した。写真はクーシングで昨年4月撮影(2021年 ロイター/Dronebase Dronebase)

米主導の協調備蓄放出、「大海の一滴」=ゴールドマン

[シンガポール 24日 ロイター] - ゴールドマン・サックスのアナリストは、米国主導の石油備蓄協調放出について、原油供給が約7000万─8000万バレル増える可能性があるが、増加幅は市場が見込んでいた1億バレル超を下回るとの見方を示した。

同社は「大海の一滴」と題した23日付のリポートで「当社の価格モデルでは、今回の放出の価値は1バレル当たり2ドル未満になる。10月下旬の1バレル当たり8ドルの下落を大幅に下回る」と指摘。

「放出規模は合計で約7000万─8000万バレルと、市場が織り込んでいた1億バレル超を下回った。そのうち大半の原油についてスワップの性格を踏まえると、2022─23年の石油供給の増加幅はネットで約4000万バレルとさらに縮小する」と述べた。

同社によると、北海ブレント原油価格には、欧州と中国の新型コロナウイルス流行を背景に、今後3カ月間、世界の石油需要が追加で日量150万バレル減少するとの見方が織り込まれている。

「今後3カ月に対する懸念は行き過ぎである可能性が高いとみており、最近の売りは、年末の取引減少でファンダメンタルズをオーバーシュートしている」と述べた。

協調備蓄放出により、同社の北海ブレント価格の年末予測を1バレル当たり2ドル下方修正することが正当化されるが、イランの核合意再建交渉が進展していないことが、リスクを相殺する要因になる見通しという。

さらに「石油輸出国機構(OPEC)が増産停止を検討する可能性がある。戦略石油備蓄に伴う原油価格下落が、今必要とされている世界の石油の設備投資の回復に及ぼす悪影響を相殺するためだ。新型コロナを受けた需要リスクを踏まえると、増産停止は賢明な措置だと正当化する公算が大きい」と述べた。