香港、中共式「健康コード」10日から運用 監視強化か

2021/12/03
更新: 2021/12/03

香港政府は2日、中共ウイルス(新型コロナウイルス)関連の個人情報を記録する中国式「健康コード」の運用を10日から開始すると発表した。中国本土に入国した際の21日隔離措置を免除し、検疫なし往来の再開をめざすとしている。人権弁護士などからは、中国共産党がデジタル監視と社会統制のために健康コードを利用するのではないかと懸念する声があがっている。

香港の健康コードは、同政府が開発した中共ウイルス感染対策アプリ「安心出行(LeaveHomeSafe)」からデータを取り込み、ユーザーの実名、身分証明書番号、住所、旅行歴などの個人情報の登録が義務付けられる。中国共産党が使用している健康コードと同様に申請すると、緑、黄、赤の色分けされたコードが付与される仕組みだ。緑のコードは自由に通行できることを意味し、黄と赤のコードはそれぞれ一定期間の隔離が必要となる。

緑のコードを持つユーザーのみが中国本土への入国を許され、公共交通機関や店舗に入店する際には提示が求められるという。香港特別行政区政府の林偉喬(ビクター・ラム)最高情報責任者(CIO)は、対象者が感染者または感染のリスクが高い場合に限り、本人同意を経て中国共産党当局に個人データを提供するという。

中国で使用されている健康コードは、携帯電話の信号データを使ってユーザーを追跡し、過去14日間の行動の詳細を保存する仕組みになっているという。評論家や人権弁護士はシステムが集団監視のツールに使用されるだけでなく、緑から黄色へと恣意的に切り替えることで、移動を妨害するために使われる可能性があると指摘する。

米国をはじめ国際関係担当。