「いじめっ子と独裁国家」に対抗措置を 豪国防相、各国の連携を強調

2022/01/21
更新: 2022/01/21

ダットン豪国防相は20日、ウクライナとの国境地帯で軍備を増強させるロシアの動きは「いじめっ子や他の独裁国家」の増長につながると懸念を示した。侵攻すれば数千人の命が犠牲になる恐れがあるとも警告した。

ペイン外相と共に英国を訪問中のダットン氏はラジオ番組「サンライズ」の取材に応じ、ロシアの行動に世界各国が何らかの対抗措置を取らなければ、独裁国家は同様の暴挙に出ると指摘。英国はNATOや欧州連合との連携を図っていると述べた。

「ロシアに圧力をかけウクライナへの侵攻を止めるよう、NATOや欧州諸国と懸命に取り組んでいる」とダットン氏は英外相との会談後に話した。

ロシアはウクライナとの国境周辺に10万人規模の部隊を展開し、侵攻の構えを見せている。欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は20日、「ウクライナの領土が攻撃されれば、大規模な経済・金融制裁で応じる」とロシアに警告。英国のジョンソン首相も同日、英政府がウクライナの主権と保全を支持すると表明した。

英国とオーストラリアは20日、オープンで安全なインターネットを維持するためのパートナーシップに合意。サイバー犯罪の制裁措置を引き上げることで、悪意ある活動に対する抑止力を高める。ペイン氏は同盟国と協力して「民主主義を損なう者に対抗する」と強硬姿勢を示した。

インド太平洋における中国の脅威や台湾侵攻の懸念が増大するなか、オーストラリアは志を同じくする国々と安全保障の協力関係を強化し続けている。昨年9月には原子力潜水艦建造などで協力する米英との安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」を発表した。

米国をはじめ国際関係担当。
関連特集: ウクライナ情勢