「目を覚ます時だ」医師ら、中国共産党の臓器収奪に言及

2022/03/25
更新: 2023/02/28

良心の囚人から生きたまま臓器を摘出する。この前代未聞の犯罪に手を染める者だけでなく、「沈黙」も共犯となるー。中国の臓器狩りに詳しい弁護士や医師らは23日、国連人権理事会で開かれたオンラインイベントに出席した。中国共産党が主導する臓器狩りがあまりにも長い間野放しにされてきたと指摘した。

中国共産党による強制臓器摘出は2006年に初めて明るみになった。中国北東部で働いていたアニー(仮名)と名乗る女性が、医師だった元夫が勤務先の瀋陽市蘇家屯病院で横行していた臓器狩りの実態を大紀元に証言した。2003年までの2年間、元夫は2000人あまりの法輪功学習者から角膜を摘出したという。

法輪功は「真善忍」という3つの理念を指針とする精神修養法だ。1999年7月20日、当時の江沢民国家主席は「名誉を失墜させ、財力を奪い、肉体を消滅させよ」との方針を定め、大規模な弾圧政策を実施した。今なお、その迫害は続いている。

中国共産党への希望が裏目に

臓器狩りが明るみになってから16年が経過した。いまだにこの悪行を阻止する取り組みは進んでおらず認知度も低い。米国議会や欧州議会からは臓器収奪への非難決議がなされ、移植ツーリズムを禁ずる国もある。しかし、加害者の責任を問う法律は存在しない。

イベントに出席したユタ大学の消化器がん専門医ウェルドン・ギルクリーズ博士は強制臓器摘出について聞いたことのある医療関係者は5〜10%程度に留まると推測する。また、この問題を知っている人の中にも、自然に解決することを願いながら、受身でいる人が多いと語った。

中国当局は2015年、死刑囚からの臓器摘出を停止し、全国的な臓器提供制度を創設すると主張した。医学会には「中国共産党を信じて、協力と協調ができればという希望があった」という。これは中国が世界保健機関(WHO)に加盟したとき、世界がとったスタンスと同じだとギルクリーズ氏は指摘した。

「我々は道徳や価値観、医療倫理で中国共産党を説得することを望んでいた。しかし、その逆が起こってしまった」。ギルクリーズ氏によると、米国では9人の著名な医学者が中国共産党との関係を隠蔽したとして、研究機関を去っている。

2020年に英国で開かれた中国民衆法廷では、中国共産党による強制臓器摘出が停止したとの証拠はないと結論づけた。各国政府が調査を怠ったため「多くの人々の不必要な死を招いた」とも指摘した。

2006年からこの問題を追っているカナダの著名な人権派弁護士デービッド・マタス氏は、中国共産党は「国際社会が望むように変化する」と強調してきたが、強制臓器摘出に関する調査すら行われていないと指摘。「しかし、国際社会は中国共産党に騙されたとは認めたくないだろう」と述べた。

2000年〜17年に発表された権威ある医学論文445本で、データとして用いられた臓器移植8万5477件のうち、86%は臓器が倫理的に入手されたとの証明はないことがわかった。この結果は2019年、オーストラリアの医療倫理研究グループの報告として英医学誌BMJ Openに掲載された。

金に目がくらむ 

中国共産党は政治・経済的な影響力を利用して、強制臓器摘出問題について口をつぐむよう圧力をかけている。

スペインの人権弁護士カルロス・イグレシアス氏は、10年前のある国連人権理事会で、1999年に法輪功弾圧を命じた当時の江沢民国家主席を非難する3分間のスピーチを行う予定だった。

しかし、議論の前に中国共産党の代表が各国の席を回り「ノーアクション」と言うように仕向けていたという。同党は自らの犯罪を隠蔽するため、あらゆる力を使っていると指摘した。

臓器収奪の疑惑が浮上した翌年の2007年、フランスの外科医12人は嘆願書に署名し、当時の仏大統領に提出しようと計画していた。しかし「今中国について、このような問題を挙げるべきでない」とフランス政府から要請があったという。

また「強制臓器摘出に反対する医師の会(DAFOH)」などの医療倫理団体が少なくとも3回、フランスで臓器移植ツーリズムに関する立法措置を成立させようと試みてきた。しかしそのたびに政府は、臓器移植で海外に渡るフランス人は少ないと主張し、法成立を阻止してきたと、DAFOHのフランス支部ハロルド・キング医師は大紀元に語った。

2014年にDAFOHは、毎年300人のフランス人が同国の臓器移植待機者から消えている事実を把握しており、臓器移植のため中国に渡った可能性が高いと示唆した。

スペインでは2014年から2017年にかけてバルセロナ大学で中国の医師たちに臓器移植のトレーニングを行っていた。同大学は中国共産党による臓器収奪について警告を受けていたという。イグレシアス氏は「論理的に支払われた商業契約であり、おそらく中国共産党のお金で行われたものだ」指摘した。

「彼らは殺人の共犯者となる。この悪から離れなければならない。目を覚ます時なのだ」

(翻訳編集・山中蓮夏)

Eva Fu
エポックタイムズのライター。ニューヨークを拠点に、米国政治、米中関係、信教の自由、人権問題について執筆を行う。
関連特集: 中国臓器狩り