ワクチン義務化は非倫理的 学生の登録抹消や重篤な副反応も=研究報告書

2022/09/20
更新: 2022/09/20
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国民の自由を重んじてきた米国では近年、大学の新学期に登校する条件として新型コロナウイルスワクチンを義務付けるなど、未接種者の権利を制限する動きが相次いでいる。こうしたなか、ハーバード大学など一流大学の9人の専門家チームは12日、ワクチンを義務付けることがなぜ非倫理的なのかについて、研究報告書を発表した。

8月末にSocial Science Research Networkで発表された50ページにわたる報告書は、疾病管理予防センター(CDC)と業界が提供する新型コロナウイルスのワクチンの有害事象に関するデータを分析した。その結果、若年層(18歳から29歳)へのワクチン追加接種の義務化は、若年成人の入院を1件防ぐごとに、18~98件の「重篤な有害事象」を引き起こす可能性があると結論付けた。

報告書は、ジョンズ・ホプキンス大学疫学教授のステファン・バラル博士やジョンズ・ホプキンス大学教授で外科医のメーティン・マカリー博士、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の疫学・生物統計学部の教授であり、350以上の学術論文や査読論文の著者でもある血液腫瘍医のヴィネイ・プラサド博士、ハーバード大学医学大学院グローバルヘルス・デリバリー・センター所長のサルマーン・ケシャヴィー博士によって共同執筆された。

学生の登録抹消

米国やカナダ、メキシコの一部の大学では、3回目の接種を義務付けており、従わない場合は、登録抹消の処分を受ける。大学に入学したばかりのワクチン未接種の生徒も、授業に出席するにはワクチン接種が義務付けられている。

こうしたワクチン接種を義務化する動きは、広範囲に及ぶ。現在、米国の15の州では人道的な理由による免除を、44の州と首都ワシントンでは宗教上の理由による免除を認めている。しかし、これらの州でも、一部の私立大学は州が認めたワクチン免除を受け入れない姿勢を示している。

エポックタイムズが6家族に行なった取材では、健康上の理由からワクチン接種を受けられないとして、医師の診断書を大学に提出したとしても、その診断書を大学雇用の医療チームが精査するケースもあることが明らかになった。医療チームは、診断書に記載されている健康上の理由が医学的に妥当かどうかを判断するという。

追加接種の義務化に反対する5つの倫理的主張

米国の主要メディアではほとんど報道されていないが、ワクチンの追加接種は論争を巻き起こしている。

ワクチン接種により健康被害が生じた場合、救済制度(補償)を設ける国やワクチンの推奨を制限する国がある一方で、米国では現在、12歳以上の子どもにはオミクロン株に特化したファイザー社の追加接種を、18歳以上の若年成人にはモデルナワクチンの接種を推奨している。

カナダでは、公衆衛生当局が90日ごとのワクチン接種を検討しているという。

報告書の著者らは、しばしば変更される公衆衛生上の推奨事項などを背景に、大学でのワクチン追加接種の義務化は非倫理的だと主張する。その具体的な理由として、5つの点を挙げた。

1)政策決定の透明性の欠如:著者らは、若年成人に対するワクチンの追加接種が重症感染症や入院の予防に有用かどうかについて、正式かつ科学的なリスク・ベネフィット分析が存在しないと指摘した。

2)予想される被害: 現在入手可能なデータを見ると、義務化は若者に対して著者がいう「予想される被害」をもたらすことがわかる。この予想される被害は、追加接種による潜在的な効果を上回る可能性が高い。

3)有効性の欠如:ワクチンは新型コロナウイルスの感染を効果的に防げていない。これを踏まえると、追加接種による予想される被害は、公衆衛生上のいかなるメリットよりも大きい可能性がある。

4)ワクチン接種で生じた健康被害に対する若年層への救済措置がない:ワクチン接種を大学入学の必須条件とすることは、特に問題である。なぜなら、これらのワクチンによって生じた健康被害に対して、若年層は補償を受けられない可能性が高いからである。

5)社会へ害を与える:義務化は、ワクチン未接種の若年層を排斥し、教育や大学雇用の機会から排除することになると著者らは主張する。また、「義務化が公衆衛生上の説得力のある正当性によって支持されていない場合」、ワクチン接種の強制は、「職業選択の自由や結社の自由を大きく侵害する」と記した。

コンプライアンスに違反した場合、学生らは大学での登録抹消、インターネットの特権の喪失、ジムやその他の運動施設の利用禁止、キャンパス内の寮から追い出されるといった措置を取られる。著者らによれば、こうした懲罰的なアプローチは、不必要な心理社会的ストレスや評判の失墜、収入の損失などをもたらしているという。

心筋炎などのリスクも

専門家チームがCDCに提供された公開データを分析した結果、1回の入院を防ぐために、2万2000人から3万人の新型コロナウイルス未感染の若年成人にmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンを追加接種する必要があると推定している。

また、新型コロナウイルス未感染の若年成人の入院を1件防ぐごとに、18~98件の「重篤な有害事象」がワクチン接種によって引き起こされると指摘した。

報告書によると、一件の入院を防ぐごとに、男性のワクチン追加接種に関連する心筋炎を最大3症例発症するほか、日常生活に支障をきたすほど深刻な副反応は3234件に上るという。

一方、CDCは新型コロナワクチンの接種後に、心筋炎を発症した事例が報告されてはいるものの、治療により改善するケースがほとんどだと強調。新型コロナウイルスによって引き起こされる重篤な合併症などのリスクを考慮すれば、ワクチン接種のメリットの方が大きいとしている。

ワクチン接種は自由意志であるべき

研究者らは、副反応や権利の自由を強調し、ワクチン接種は自由意志に基づいて実施されるべきだと指摘する。政策立案者に対して、若年層への義務付けを直ちに中止するほか、ワクチン接種により生じた副反応に対する補償制度を確立するよう訴えた。また、様々な年齢層に対するワクチンのリスク・ベネフィット分析の結果を公然と実施し共有しなければならないとした。

これらの措置は、「公衆衛生への信頼を再構築する長いプロセスを開始する」ために必要だと著者らは主張している。

また、この研究の共著者2人は、論文の謝辞の中で、「新型コロナワクチンの義務化について公に議論する」ことを支えてくれている家族に対して感謝の意を述べた。さらに個人的、職業的なリスクを承知した上で、ますます多くの科学者と医師が同問題について声を上げていることは「励ましと支援に値する」と締めくくった。

この記事で述べられている見解は、著者の意見であり、必ずしもエポックタイムズの見解を反映するものではありません。