ワクチン安全性に関する疑問 「ごく稀ではあるものの」は厚労省の言い訳か?

2023/01/05
更新: 2023/01/05

厚生労働省HPの「新型コロナワクチンについて」と表題がついた部分に、「政府では、新型コロナウイルス感染症のワクチンをできるだけ早期に、安心して皆さまに接種していただけるよう取り組んでいます」という文言がある。

「個人の判断」ならば責任も個人に帰するのか?

同じく、厚労省HPの「新型コロナウイルス感染症 予防接種証明書(接種証明書)について」の部分では、「ご注意ください」という注意書きのなかに「ワクチンを接種するかしないかは個人の判断であり、接種証明書の交付や活用により、ワクチン接種を強制するものではありません」という言葉も見られる。

つまり政府は「できるだけ早期に、安心して接種を」とワクチン接種を勧めるが、その一方で「接種するかしないかは個人の判断」によるものだと言う。

これらの説明を、国民はどう理解するべきか。接種が個人の判断ならば、死亡事故や健康被害が生じた場合の責任も「個人」に負わせるのか。

こうした厚労省HPの説明を読む限り、国が責任をもってワクチンの安全性および有効性を保証する確固たる姿勢が見られるかどうか、疑問をもたざるを得ない。

言い換えれば、万が一にもワクチン接種の副反応による死亡事故あるいは重大な健康被害があった場合、どのような個別のケースに対しても、国が責任逃れをしない「覚悟」があるかどうかが問われていることになる。しかし厚労省HPの文言を見る限り、その「覚悟」が明確であるとは言えない。

「ごく稀ではあるものの」は何を意味するのか?

厚労省HPのワクチン接種に関する説明のなかで、頻繁に見られるのが「ごく稀ではあるものの」という言い回しである。ごく少数の事例ですが副反応はあります、ということを同省は恐る恐る言いたいらしい。

具体的に例示すると、以下の通りである。いずれも各種のmRNAワクチンに付随する「安全性について」の説明から一部を引用する。

1、モデルナ社のワクチン

「稀に起こる重大な副反応として、ショックやアナフィラキシーがあります」「ごく稀ではあるものの、ワクチン接種後に心筋炎や心膜炎を疑う事例が報告されています」「ごく稀ではあるものの、mRNAワクチン接種後にギラン・バレー症候群が報告されています」「本ワクチンは、新しい種類のワクチンのため、これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります」

2、モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン

「稀に起こる重大な副反応として、ショックやアナフィラキシーがあります」「ごく稀ではあるものの、ワクチン接種後に心筋炎や心膜炎を疑う事例が報告されています」「ごく稀ではあるものの、mRNAワクチン接種後にギラン・バレー症候群が報告されています」「本ワクチンは、新しい種類のワクチンのため、これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります」

3、ファイザー社のワクチン

「稀に起こる重大な副反応として、ショックやアナフィラキシーがあります」「ごく稀ではあるものの、1~3回目接種では、ワクチン接種後に心筋炎や心膜炎を疑う事例が報告されています」「ごく稀ではあるものの、mRNAワクチン接種後にギラン・バレー症候群が報告されています」「本ワクチンは、新しい種類のワクチンのため、これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります」

4、ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン

「稀に起こる重大な副反応として、ショックやアナフィラキシーがあります」「ごく稀ではあるものの、ワクチン接種後に心筋炎や心膜炎を疑う事例が報告されています」「ごく稀ではあるものの、mRNAワクチン接種後にギラン・バレー症候群が報告されています」「本ワクチンは、新しい種類のワクチンのため、これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります」

以上のように、現行のどの種類のワクチンについても、ほとんど同じく、重大なリスクがある可能性は否定できないことが記されている。つまり「確実に安全であるとは言えない」というのが、厚労省HPから読み取れることになる。

「ワクチン信仰」による接種は継続すべきか?

新型コロナウイルスに関して、その感染防止および感染した場合の重症化を予防する手段として、国は現在もワクチン接種を最上の手段としている。

いっぽう厚生労働省には、新型コロナウイルスのワクチン接種後に死亡した事例の報告が、既に1900件以上あがっている。

1900件以上の事例を前にして、なお「ごく稀であるものの」と厚労省は言う。

しかし、その「稀な事例」で大切な家族を失った遺族に対して、国はどう説明し、取り返しのつかない結果の補償をする覚悟があるか。ワクチン接種継続の是非とともに、今そのことが問われている。