専門家 秦剛失踪事件は進行中

2023/08/04
更新: 2023/08/04

中国共産党(中共)外交部は定例記者会見を2週間休会すると発表した。外相を解任された秦剛氏の動静はいまだ不明。秦剛氏が囚人になるのではないかとの憶測が流れている。中共政権は混乱が頻発し、終末期に入っていると観察者たちは見ている。

外交部定例記者会見休会 海外メディアは秦剛氏に注目

中共外交部は定例記者会見を7月31日~8月11日までの2週間、休会し、8月14日に再開すると伝えた。

中共現役幹部と長老は毎年7月末~8月初旬にかけて北戴河で休暇を取り、非公式の議題について議論する。「北戴河会議」と呼ばれている。

6月25日から1か月間消息不明だった秦剛氏は、7月25日に外交部長の職を解かれたが、現在も国務委員である。外交部の公式サイトでは、秦剛氏が解任された日に彼の全ての情報が消去された後、28日に情報が一部復活した。

現在、秦剛氏は元外交部長のリストに掲載されていない。外交部のサイトで秦剛の名前を検索すると「申し訳ありませんが、秦剛は見つかりませんでした」と表示される。
 

秦剛失踪事件は現在進行中 

中国問題の専門家、王赫氏は8月1日にエポックタイムズに対して、秦剛氏の事件はまだ全容が明らかになっていないと語った。

秦剛氏は外交部長の職を解任されたが、国務委員の地位はまだ保有している。彼の最終的にどうなるのか、いつ再び公に姿を現すのか、これらの疑問は中共内部の権力闘争や政治の方向性と密接に関連している。

外部は、中共の未来の方向性や、習近平氏が確固たる地位を保持できるのかどうかを確認するために、絶えず秦剛氏の行方を追求するだろう。

秦剛氏がなぜ行方不明になったのかは、中共のブラックボックス体制の下、推測するしかない。最も注目を集めているのは、彼があるテレビ局の女性司会者との間に一度のインタビューをきっかけに関係を持ち、その結果私生児ができたという事態だ。

諸説飛び交う中、最も拡散されたのは、香港フェニックステレビの女性キャスターとの「不倫説」だ。

女性キャスターがスパイ活動に関与し、調査の対象となり、秦剛氏が巻き込まれたとの憶測も広がった。

7月11日の会見で、外交部報道官は、秦剛氏が「健康上の問題」のため、一連の会議に欠席したと説明した。

また、ロケット軍の高官との関係も問題となり、秦剛氏は情報漏洩の問題に対して責任を問われているといった話もある。

評論家の李恒青氏は、現在は中共にとって非常に特別な時期であり、まさに王朝の交代直前状況だと述べている。

また同氏は秦剛氏の事件が、中共内部で習近平氏を支持する人々の間の争いに関連している可能性があると見ている。その争いの理由は、利益分配やその他の原因によるものかもしれない。
 

秦剛氏は秦城監獄に?

2023年7月31日、ラジオ・フリー・アジアの「夜話中南海」コラムでは、「秦剛氏が秦城監獄に服役することになるかどうか、まずは彼が党籍を保つことができるかを見る」という話題が議論されていた。
 
王赫氏は、秦剛氏が秦城監獄(中共高官の監獄として知られる)に行く前提として、国務委員の地位が取り消されるはずだが、現在は彼が秦城監獄に入るかどうかを判断するのは早すぎると語った。

李恆青氏は、秦剛氏が秦城監獄に服役するかどうかは、彼が中共中央によって犯罪行為を認定されたかどうかにかかっていると考えている。もし彼の問題が男女関係のみであれば、ただ職を解かれるだけで済むだろう。

もし秦剛氏が実際に機密を漏らしたり、その愛人がいわゆる不法行為を行う手助けをしたりした場合は、罪に問われることになるだろう。もちろん、秦剛氏は習近平氏の信任が厚いため、習氏は彼を保護し、秦城監獄に入ることはないかもしれない。

中共外交部は変動期に突入している。秦剛氏が失脚した一方で、王毅氏が外交部長に復帰する。また、昨年、国家新聞出版広電総局の副局長に異動した前外交部副部長の楽玉成氏は、7月28日に正式に引退した。

さらに、秦剛氏が解任された7月25日の夜、中共の在米大使館では中国軍設立96周年の活動が開催されたが、駐米大使の謝鋒氏は欠席した。

当局は謝鋒氏がアスペン安全保障フォーラムに参加している際に「うっかり転んで怪我をした」したため、その夜の活動を欠席せざるを得なかったと説明した。

王赫氏は、現在中共高官は相次いでトラブルに見舞われており、中国外交部には不穏な空気が流れていると指摘している。
 
 

寧海鐘
中国語大紀元の記者。
駱亞
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