ローマ市 神韻に「ローマ誕辰」記念章を授与 団員をイタリア上院に招待

2025/02/04
更新: 2025/02/06

1月31日、イタリア上院で神韻芸術団の歓迎レセプションが開催され、その後、一行は歴史ある上院本会議場を訪問した。2月1日、ローマ市のロベルト・グアルティエーリ市長は、市議会議員のフェデリコ・ロッカ氏を代表に任命し、神韻芸術団に「ローマ誕辰(the Birth of Rome)」記念章を授与した。

この招待は、イタリア上院EU問題委員会委員長であり、元外務大臣のジュリオ・テルツィ・ディ・サンタガタ上院議員の発案によるもの。

レセプションには、ローマ市「党被害者保護局」責任者のチンツィア・ペレグリーノ上院議員、ローマ市議会議員のフェデリコ・ロッカ氏、「法の支配を求める国際委員会(GCRL)」事務局長のマッテオ・アンジオリ氏 などが出席した。

2025年2月1日、ローマ市議会議員フェデリコ・ロッカ氏がイタリアのローマ市立劇場で神韻に「ローマ誕辰」メダルを授与した(麥蕾/大紀元)

授与式では、神韻の男女のプリンシパルダンサーが舞台衣装をまとい、記念章を受け取った。また、この式典にはイタリアのジョルジャ・メローニ首相の母親、アンナ・パラトーレ氏や姉のアリアンナ・メローニ氏も出席し、他の政界関係者とともに記念撮影が行われた。

神韻芸術団は、ニューヨークを拠点とする世界最高峰の中国古典舞踊芸術団であり、5千年にわたる中国文明の復興と、「共産主義以前の中国」の美しさを観客に伝えることを使命としている。

今シーズン、神韻はイタリア国内6都市で計28公演を実施し、毎回満席の会場で喝采を浴びた。観客からは、神韻の芸術性と文化復興の取り組みに対し、称賛と感謝の声が寄せられている。

神韻芸術団は2025年1月31日、イタリア上院で温かい歓迎を受けた(Mary Man/The Epoch Times)

「止めることのできない美」 テルツィ議員が神韻の文化交流を称賛

2025年のシーズンでは、神韻芸術団はヨーロッパ14か国・61都市で約300公演を行い、60万人の観客にその舞台を届ける予定。この前例のない規模について、テルツィ上院議員は「文化交流の成功例の一つ」と評価した。

「これは真に特筆すべきことだ」とテルツィ氏は語り、神韻が文化、人間性、価値観、歴史的知識、そして5千年の中国文明を伝えている点が、世界的な人気の理由だと述べた。

「神韻は美しさを象徴し、人間の精神性を鮮やかに表現している。舞踊こそがそれを最も完璧に表現する手段だ」とテルツィ氏は強調した。

また、神韻の芸術家たちが「真・善・忍」の理念を掲げる精神修養法である法輪功を実践していることにも触れ、これを「平和、真実、自由を求める運動であり、人格の向上と内なる精神の探求に根ざしたものだ」と評価した。

上院のEU問題委員会委員長で元イタリア外務大臣のジュリオ・テルツィ・ディ・サンタガータ上院議員は神韻公演を観賞(麥蕾/大紀元)

テルツィ議員は、神韻がイタリアをはじめ、多くの国々で広く認知され、支持を受けていることに言及し、中共が神韻公演を妨害しようとする動きに遺憾の意を示した。

また、イタリアと中国の長年の歴史的つながりを強調し、マルコ・ポーロや、中国で「西洋の聖賢」として尊敬されたイタリア人学者マテオ・リッチを例に挙げた。

「神韻芸術団が伝えるのは、美の本質だ。それは決して止めることのできない美しさ」とテルツィ議員は締めくくった。

新年の祝福と共有する価値観

この訪問は、中国の旧正月の数日後に行われ、テルツィ上院議員は神韻芸術団のアーティストたちに新年の祝福を贈った。

「心から願いを込めて、神韻のさらなる成功を祈る。そして、神韻が公演を通じて表現する価値観にも、同じく成功がもたらされることを願っている」とテルツィ氏は語った。

また、神韻が掲げる「真・善・忍」の理念は、ヨーロッパの価値観と深く共鳴するとし、それを「欧州文明の精神を体現する、模範的な文化」だと表現した。

「神韻が表現する価値観は、ヨーロッパの価値観と完全に一致している。新年にあたり、心からの祝福を贈りたい」とテルツィ氏は語った。

さらに、テルツィ氏は神韻に記念品を贈り、主要ダンサーのアンジェリア・ワン氏が団体を代表して受け取った。

共産主義に屈せず、伝統を守る中国の姿

テルツィ氏は、神韻の文化的重要性についても強調した。2006年に世界各国のアーティストによって結成された神韻は、多くのメンバーが中国共産党(中共)による弾圧を経験し、表現の自由を求めて海外へ渡った経緯を持つ。

「東京からパリまで、神韻は何年にもわたり、千年の歴史を誇る中国の伝統文化を鮮やかな舞踊で世界に伝え、大きな成功を収めてきた」とテルツィ氏は1月31日に発表した声明で述べた。

また、2月1日から始まるローマ公演では、全6公演がすでに完売していることにも触れ、「明日、神韻がローマで公演を行う。すべてのチケットが完売しており、観客の期待の高さが伺える」と述べた。

テルツィ氏は、神韻の公演を「文化外交」の完璧な例と位置づけ、芸術と美を通じて普遍的な価値観を共有する手段と評価。「神韻は、調和、尊重、そして何よりも自由という普遍的なメッセージを伝える存在だ」と語った。

また、中共が伝統文化を抹消しようとする中で、神韻の活動は「共産主義のイデオロギーに屈しない中国の姿」を象徴しているとも指摘した。

テルツィ氏は「神韻は勇気の物語でもある。長年にわたり、さまざまな脅迫や妨害を受けながらも活動を続けてきた。それは、舞踊という芸術が、文化交流の場で重要な役割を果たすことを証明している」と強調した。

ペレグリーノ上院議員「非常に大きな影響力」

人権擁護の活動を続けるチンツィア・ペレグリーノ上院議員は、神韻の公演が大きな成功を収めていることについて言及した。

「皆さんの、この芸術を通じて物語を伝えるという素晴らしい取り組みは、感情的にも視覚的にも深く訴えかける。最も効果的なコミュニケーション手法だ。非常に強いインパクトを与えることができるだろう」とペレグリーノ氏は語った。

さらに、中共による法輪功学習者への強制臓器摘出に関する書籍を受け取り、それが中共政権による大規模な人権侵害の実態を理解する助けとなったと述べた。

中共の迫害と国境を越えた弾圧

法輪功(法輪大法とも呼ばれる)は、1990年代に中国で絶大な人気を博した。1999年に中共に禁止され、一夜にして激しい弾圧が始まった。

現在も中国国内の法輪功学習者は、恣意的な拘束、拷問、強制臓器摘出などの迫害を受けており、最近では、中共指導部が海外の法輪功学習者への弾圧を強化する指示を出していたことが内部告発によって明らかになっている。人権活動家たちはこれを「国境を超えた弾圧」と非難している。

ペレグリーノ氏は、この強制臓器摘出の問題をさらに広めるべきだと述べ、今後の上院公聴会で取り上げる計画を明かした。

「この犯罪についての認識がまだ十分ではないことを痛感しています」と彼女は語った。

希望のメッセージを届ける

神韻の司会者マッシミリアーノ・ルッサーノ氏は、1月31日の訪問中、神韻が議員たちに伝えたいメッセージを紹介した。

「神韻の使命は、5千年にわたる真の中国伝統文化の美しさと価値観を復興させることだ。それは、神聖な文明の歴史でもある」と述べた。

彼は、「善良さ」「勇気」「寛容」「思いやり」「正義」「真実」といった普遍的な価値が、何千年もの間、中国の人々に根付いてきたことを強調した。

「どの国から来たとしても、どの文化で育ったとしても、私たちは皆、この中国の伝統的価値観から学び、恩恵を受けることができる」と語った。

ルッサーノ氏は、中共が神韻の活動を阻止しようとする理由についても言及した。

「神韻は、中国の神聖な文化を復興させている。しかし、中共は公式に無神論を掲げている。神韻が舞台で表現する天上の美しさこそ、中共が破壊しようとするものなのだ」と指摘した。

しかし、世界各地の観客の支持により、神韻の活動は成功を収め続けている。

ルッサーノ氏は、神韻が2018年以来初めてローマで公演を行うことへの観客の期待の高さを語った。

「ローマの公演チケットがすぐに完売したと聞いた。神韻が再びこの地に戻ることを、どれほど多くの人々が待ち望んでいたのかが伺える」と述べた。

「イタリアは、計り知れない芸術の伝統と文化遺産を持つ特別な国だ。私たちは今、ローマという美しい永遠の都にいる。ここは、西洋の芸術と文化の源の一つでもある」とルッサーノ氏は続けた。

そして、神韻の芸術総監督に対し、伝統文化の復興という特別な使命を担っていることへの感謝を述べた。

「神韻が世界に届けているのは、美しさ、道徳、精神性という、他に類を見ない貴重なメッセージだ。伝統文化の復興は、単なる文化的な営みではなく、人々に希望をもたらすものだ」と語った。

レセプションの後、神韻のアーティストたちは、歴史あるイタリア上院を見学した。

上院本会議場の上部の壁には、「Fortezza(強さ)」「Diritto(権利)」「Concordia(調和)」「Giustizia(正義)」という四つの指針が刻まれていた。

見学を終えた後、ローマ市議会議員のフェデリコ・ロッカ氏は、神韻のローマ公演を歓迎する意を示した。

「世界の主要都市で公演を行ってきた神韻が、ついにローマに到着した。皆さんをお迎えできることを光栄に思う。公演の成功を心より願い、今後のさらなる活躍を祈る」と語った。

舞踊家の想い 「一つ一つの舞台がかけがえのないもの」

神韻のプリンシパルダンサー、アンジェリア・ワン氏も、今回のローマ公演について自身の想いを語った。

「私は10年以上ステージに立ち続けているが、どの公演もかけがえのないものだと感じています。なぜなら、どの観客も、どの舞台も、一つとして同じものはないからです」と述べた。

ワン氏は、伝統中国文化の美しさを広めることと、観客が芸術に深い敬意を示してくれることこそが、ダンサーたちを支える力になっていると語った。

「そのおかげで、どれだけ困難があっても、それを乗り越えることができます。実際、挑戦は決して苦しいものではなく、むしろ乗り越える喜びがあるのです」と締めくくった。

Mary Man