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銀座郵便局で特別送達郵便の報告書偽装 日本郵便が全国調査へ

2025/05/10
更新: 2025/05/10

日本郵便株式会社は9日、東京都中央区の銀座郵便局において、特別な資格が必要な郵便物の配達に関する報告書が偽装されていたと発表した。同社は、全国の郵便局でも同様の不正がなかったか調査を進める方針だ。

問題となったのは、裁判所からの訴状などを届ける「特別送達」と呼ばれる郵便物の取り扱い。特別送達は、法律に基づき「郵便認証司」という特別な資格を持つ社員が関与し、配達担当者が報告書に署名し、別の郵便認証司が内容を認証する必要がある。

しかし、銀座郵便局の郵便認証司2人は、2024年度に配達された2,659件の特別送達郵便物について、自らが配達したにもかかわらず、報告書の配達担当者欄に別の社員の名前と印章を記入し、さらに自分で認証欄に記名・押印していたことが判明した。これは配達担当者を偽装したものであり、法令違反の疑いがある。

この不正は、2025年3月に局内で社員の印章が不適切に保管されていることが発覚したことをきっかけに調査が進み、明らかになったという。

なお、日本郵便によれば、配達そのものは適切に行われており、郵便物が受取人に届いていることは確認されている。差出人には個別に連絡を取り、謝罪と今後の対応を行うとしている。

日本郵便は今回の事案を受けて、関係者や利用者に深く謝罪するとともに、社員への指導を徹底し、チェック体制を強化する方針を示した。また、総務省にも報告を行い、全国の郵便局で同様の不正がないか確認を進めている。

偽装の直接的なメリットは、法律で定められた煩雑な手続きを省略し、担当者の業務負担を軽減することにあったと考えられる。ただし、これは明確な公式説明ではなく、現時点で分かっている事実や会社側の説明に基づく推測である。今後の調査で動機の詳細が明らかになる可能性がある。

エポックタイムズ記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。