中国のEV市場に参入した同国スマホ大手・シャオミ(小米)が、相次ぐトラブルで信頼を大きく損なった。
今年3月、高速道路でシャオミ製EV「SU7」がスマート運転機能の使用中に、中央分離帯へ衝突・炎上し、女子大学生3人が命を落とすという重大事故が発生した。
SU7の爆発事故以来、シャオミの対応に対する不信は募る一方で、事故現場付近の高速道路には「スマート運転は禁止」と明示する電子掲示板メッセージまで登場した。
5月4日、シャオミは公式サイトにおける「SU7」の新車予約ページの「スマート運転」表記を「運転支援」へと静かに変更し「責任逃れのためのすり替えか」との批判が噴出するなか、今度は、SU7シリーズの最上位モデル「SU7 Ultra(販売価格52万9900人民元/約1100万円)のオプション部品を巡る“虚偽広告”疑惑が発覚した。

機能しない「意味ナシ」のダミーデザイン
問題視されているのは、シャオミが売りにした約80万円の追加料金で選べる「カーボンファイバー製ダブルダクトフロントボンネット」だ。シャオミは、冷却効果や空気抵抗を軽減などと宣伝していたが、実際には風が通らず内部構造も通常モデルと同じだったことが判明した。
「安くない追加料金をとっておきながら、ただのダミーだったなんて…信頼して買ったのに騙された」と購入者は、激怒し、一部購入者は弁護士を雇って法的措置を準備中。300人超の購入者らが集団で返品を求める事態に発展した。
この事態にシャオミは、「説明が不十分だった」と謝罪し、補償案などを提示しているが、多くの車主は納得しておらず、法的措置も辞さない姿勢を見せた。
一度落ちた信頼は、簡単には戻らない。誠実な姿勢だけが、消費者の心をつなぎ止めるのだ。
(返品を求める「SU7 Ultra」の購入者たち)
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