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トルコでの露ウ首脳和平協議にプーチン氏不参加へ トランプ氏も見送り

2025/05/15
更新: 2025/05/15

ロシアのプーチン大統領は、今週トルコ・イスタンブールで行われるロシア・ウクライナ間の和平交渉に出席しない見通しである。クレムリンが14日深夜に発表した代表団の名簿に、プーチン氏の名前は含まれていなかった。

クレムリンの公式テレグラム・チャンネルによると、代表団の団長を務めるのは、2022年のウクライナとの交渉でも交渉責任者を務めた大統領補佐官ウラジーミル・メジンスキー氏。ほかに、ミハイル・ガルージン外務次官、アレクサンドル・フォミン国防次官、軍参謀本部情報総局(GRU)長官のイーゴリ・コスチュコフ氏らが参加し、外交・国防分野の専門家らがこれを補佐する。

プーチン氏は12日、突如として和平交渉の開催を発表したが、代表団の構成についてはその後も発表が遅れていた。交渉は、欧米諸国が支援する30日間の停戦提案に基づいて行われる見通しである。

ウクライナのゼレンスキー大統領は交渉に参加する意向を示しており、プーチン氏の出席の有無がロシアの和平に対する真剣さを示すと述べている。また、ウクライナ大統領府の顧問ミハイロ・ポドリャク氏も「ウクライナとロシアそれぞれに決定権を持つ人物は一人ずつしかいない。その他の出席者による交渉は形式的なもので、成果は期待できない」と語っている。

一方ロシア側は、プーチン氏とゼレンスキー氏が直接会談する可能性は低いとの見方が出ている。ロシア国営通信社タス通信は、同国ウラジーミル・ジャバロフ上院議員の話として、イスタンブールでの首脳会談の実現性は「極めて低い」と報じた。

トランプ大統領は5月14日、大統領専用機「エアフォース・ワン」内で記者団に対し、今回の和平交渉については依然として不透明な点が多く、プーチン大統領が出席するかどうかも明らかになっていないと述べた。

そのうえで、現在行っている中東歴訪を一時的に変更してでも、和平合意の実現に貢献できるのであればトルコに立ち寄る考えがあると表明した。

ロシアの発表後、米当局者はトランプ大統領も協議に出席しないと明かした。

ゼレンスキー氏は同日夜の演説で、「ロシアが誰を交渉の場に送るかを見極めた上で、ウクライナとしての対応を決める」と述べ、ロシアの姿勢を注視する考えを示した。

「和平に向けた最大の障害は、ロシア側に明確な意思が見えないことだ」とも語り、プーチン大統領が交渉の場に現れない場合、交渉自体の成果は限定的になる可能性があるとの認識を示した。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。