中国の教育は、いまや「教える場」ではなく、「支配と服従を植えつける装置」となった……。
そんな教育の実態を暴露したのは、広東省出身の元フリーランス、蒲芹白(ほ・きんはく)氏である。彼女の息子は学校で少先隊(中国共産党の全国的な少年組織)のスカーフを着けていなかったことを理由に、教師から歯が抜けるほどの暴行を受けた。
学校と警察に訴えても効果はなく、教師からの言葉による暴力は止まらない。「それ以来、子供は心を病んでしまった」という。
蒲氏はこの体験を通して、「いまの中国における学校は、知識を学ぶ場所ではなく、体制への忠誠を誓わせる場となった」とエポックタイムズの姉妹メディア・NTD新唐人テレビに訴えた。

2025年1月、蒲氏は息子とともに米国に渡り、「愛国とは党を愛することではない」と語り、中国共産党からの脱退を宣言した。
中国では、どの学校も共産主義の象徴とされる「少先隊」の赤いスカーフの着用を義務付けており、一部学校では毛沢東の肖像画への敬礼が、日常の一部とされるところもある。愛国歌の斉唱、党史の暗記、そして「異なる意見は存在しない」という前提の授業──そこに学問や人格の育成はない。あるのは政府都合の「正しい思想」の強要と洗脳であった。
「道徳」の授業では、毛沢東の名言や共産党への忠誠を誓う言葉を暗記し、テストにも登場する。「子どもが考えるより、言わされる内容を反射的に暗唱するようになった」と不安に思う保護者も少なくなく、中国で暮らす邦人の中にも、子供に中国の教育を受けさせたくないという理由で帰国を選ぶ家族も相次いだ。
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