日本の真の独立を目指す有識者会議(ECAJTI)は5月30日、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見を開き、日本放送協会(NHK)に対して歴史認識の是正と戦後報道の見直しを求める2通目の公開質問状を発出したことを明らかにした。
会見の冒頭、司会を務めた次期事務局長・中江紳悟氏は、2024年3月24日に発足した同会議の趣旨を説明し、また、先月逝去した同会議の副議長・田中英道氏(東北大学名誉教授)に黙祷を捧げた。
NHKへの公開質問状の経緯
副議長の山下英次・大阪市立大学名誉教授は、今年1月6日にNHK会長宛てに「戦後GHQによる日本国民の洗脳工作に加担させられた事実の告白・懺悔と、歴史の真実に基づく特集番組の制作」を求める公開書簡を送付していた。これに対し、NHK会長・稲葉延雄氏から回答期限日の4月28日付で回答があったものの、その内容には全く納得できないとして、今回新たな公開質問状を発出したと述べた。
今回の公開質問状には、前回より20名以上多い77名の賛同者が名を連ねている。
問題視するNHKの歴史認識
山下氏は、NHKの回答の中で「過去の特殊な政治体制下における経緯をもって、現在のNHKに贖罪が必要であるとのご主張にはやや疑義がある」とされた点を批判。GHQ占領下で植え付けられた歴史認識を、NHKが約80年にわたり踏襲し続けていることこそが問題であり、これが日本国民に自虐史観を根付かせ、未だ真の独立国家とは言えない状況を招いていると主張した。
また、NHKが「太平洋戦争」という用語を使い続けている点についても、「GHQが日本人洗脳のバイブルとした冊子『太平洋戦争史』の用語をそのまま踏襲している証拠」と指摘。日本政府が1941年12月12日の閣議決定で正式名称とした「大東亜戦争」や、場合によっては「日米戦争」等への呼称変更を求めた。これは、戦争当時の政府が掲げた理念や歴史的事実に基づき、GHQによる戦後の呼称変更政策から脱却すべきだという立場によるものである
歴史的証言と番組制作の要請
山下氏は、1950年代から60年代前半にNHK幹部だった春日由三氏の著書『体験的放送論』を引用し、GHQの指導下で日本人に戦争責任意識を植え付けるプロパガンダ番組「真相はこうだ」の制作を強制された体験が記されていることを紹介。春日氏の証言は歴史の一次資料であり、これに反証できないのであれば、NHKは自らの歴史的責任を認め、特集番組を制作・放送すべきだと訴えた。
さらに、NHKをはじめとする既存メディアがGHQの占領政策による歴史観を報道し続けてきたことが、日本の国民精神の自立を妨げてきたと指摘。今後は一度限りでなく、毎月9日などに特集番組を継続的に放送し、歴史の真実を伝える努力を求めた。
山下氏が「毎月9日」に特集番組を放送すべきと主張する理由は、1945年12月9日にGHQ監督下で制作されたプロパガンダラジオ番組「真相はこうだ」が初めて放送された日であることを挙げている。この番組は、GHQが日本国民に戦争責任意識を植え付けるために企画・実施したものであり、戦後日本の歴史認識に大きな影響を与えた。したがって、毎月9日を象徴的な「反省と再出発の日」と位置づけ、NHKが過去の歴史的経緯と向き合うためにも、繰り返し歴史の真実を伝える番組を編成すべきだと訴えている。
NHKへの具体的な質問事項
公開質問状では、以下の3点を中心にNHKへ回答を求めている。
- GHQ戦後工作用語である「太平洋戦争」の使用理由と、正式名称への変更の可否
- 春日由三氏の証言に対するNHKとしての見解と、必要ならば特集番組の制作
- GHQの戦後工作の実態に関する継続的な番組制作・放送の実施
また、NHKの歴史認識の甘さが国際的な報道トラブルや謝罪事案の背景にあるとし、今年の8月15日(終戦の日)までの回答を強く要請した。
今後の展望
山下氏は「NHKとの歴史認識を巡る論争は、メディア史上の一大事件となる可能性がある。国民の間でNHKおよびメディア批判の大合唱が起こることを期待したい」と語り、今後も日本の真の独立と歴史認識の是正に向けて活動を続ける姿勢を示した。
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