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日本を蝕ばんできた構造 占領政策とは グローバリズムとは=日本安全保障フォーラム会長 

2025/05/31
更新: 2025/05/31

日本の真の独立を目指す有識者会議(ECAJTI)は30日、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見を開き、日本放送協会(NHK)に対して歴史認識の是正と戦後報道の見直しを求める公開質問状を発出したことを明らかにした。

記者会見では日本安全保障フォーラム(JAFOS)会長で元陸上自衛隊陸将補の矢野義昭氏が、日本と世界を取り巻くグローバリズムの構造と、その背景にある歴史的経緯、さらにはメディア・教育機関の役割について語った。

グローバリズムと反グローバリズムの対立構造

矢野氏は、ヨーロッパ近現代史において、グローバリズムと反グローバリズムの対立が常に存在してきたと説明。日本も幕末以降、この流れに翻弄されてきたと語った。

またグローバリズムは「国家や家族、中間共同体、道徳・信仰・私有財産を否定し、国民を均質な個人へと分断したうえで、エリート層が支配する世界統一政府を目指す全体主義的な思想」と定義。これは共産主義や社会主義の一形態であり、現在は暴力革命を経ず、文化的手段で社会を変革する「文化共産主義」として展開していると述べた。

文化共産主義の浸透を担う二大機関として、矢野氏は「メディア」と「教育機関」を挙げた。これらは二重の意味でグローバリズムに支配されているという。

一つは、世界的なグローバリズムの潮流。もう一つは、第二次世界大戦後の日本占領下に行われた情報統制、いわゆる“洗脳工作”による影響である。

占領下の言論統制とその継続

矢野氏は、占領期の民間情報教育局(CIE)および民間検閲支援隊(CCD)による統制政策について詳述。新聞準則の制定、同盟通信の解散、12万人の教員パージ、7700冊の書籍の発禁・焚書、NHKを利用したプロパガンダ番組の強制放送などが実施されたことを挙げた。

検閲項目としては、連合国批判、憲法改正の正統性、戦争の評価、旧日本軍の評価、日本人の復仇心を刺激する表現などが対象となり、忠臣蔵のような伝統的作品まで禁制となった。

こうした統治は独立回復後も継続されており、特にNHKについては「不公正な姿勢を改めていない」と厳しく批判した。

NHKの報道の問題

矢野氏は、端島(通称:軍艦島)に関するNHKの報道が、韓国のKBSや国立日帝強制動員歴史館で反日的に利用されていると指摘。謝罪こそあったものの、報道の訂正や影響の是正が行われていないと問題視した。

ウクライナ戦争については、アメリカの、特にヴィクトリア・ヌーランド氏などが、反ロシア感情と資源利権の奪取を動機として、NATOの東方拡大を通じてロシアを追い込み、戦争を挑発したとする見解を紹介。米シカゴ大学のジョン・J・ミアシャイマー教授(国際政治学)や米コロンビア大学のジェフリー・サックス教授(政治経済学)が同調している例を挙げた。

一方で、トランプ政権はグローバリズムに抗う「人民の政権」であり、「常識革命」を進めていると述べた。

コロナ報道と言論統制

矢野氏は、新型コロナウイルスについてもアメリカ政府機関が生物兵器であると認めたことや、mRNAワクチンの危険性が明らかになっていると主張。かつてはグローバリストによる徹底した検閲がなされていたことが判明したにもかかわらず、日本国内ではいまだに偏向報道が続いていると批判した。

矢野氏は講演の終盤、「報道の自由」を掲げながら、実際には検閲的な情報統制が今なお続いている日本の現状に強い危機感を表明。過去の占領政策が形を変えて継続している実態を明らかにし、「歴史的経緯を正しく認識し、独立国としての報道の在り方を問い直すべきだ」と締めくくった。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。