厚労省は5月30日、疾病・障害認定審査会感染症・予防接種審査分科会を開催し、新型コロナウイルスワクチン接種後の健康被害に関する13件の申請を審議した。結果、10件が予防接種健康被害救済制度の対象として認定され、3件が否認された。
認定された内訳は「医療費・医療手当」8件(うち認定6件)「死亡一時金・葬祭料」4件(認定3件)、「葬祭料」1件(認定1件)で、死亡事例も含まれている。これにより、高齢者に続き一般成人への接種が本格化していた2021年8月のから2025年3月までの認定件数は累計9031件、うち死亡事例は998件に上った。
予防接種健康被害救済制度は、予防接種法に基づく予防接種を受けた方に健康被害が生じた場合、その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、市町村により、医療費、死亡一時金、葬祭料などを支給する公的制度だ。同制度への申請件数は1万3694件、審査中の案件が多数残っている。
しかし、申請から認定まで通常4~12か月を要し、一部の国会議員や医療関係者から審査の遅れへの懸念が表明されている。さらに、申請者からは必要書類の準備負担や審査期間の長さに対する不満が寄せられ、制度の迅速かつ柔軟な運用を求める声が強まっている。
厚生労働省は今後も審議を進め、適切な救済措置を講じる方針だが、制度運用の改善が急務となっている。
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