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ケネディ氏 ワクチン諮問委員8人を任命 信頼回復狙う

2025/06/12
更新: 2025/06/13

ケネディ・ジュニア米保健福祉長官は11日、ワクチン接種に関する諮問委員会(ACIP)の8人の新しい委員を発表した。

ケネディ氏は声明で、「これらのメンバーは全員、科学的根拠に基づく医療、標準的な科学的アプローチ、常識を重視している。新たなワクチン推奨を行う前に、確実な安全性と有効性のデータを求めることを約束している」と述べた。

新たな委員の顔ぶれと方針

新たに任命された委員は、精神医学、疫学、オペレーションズ・マネジメント、公衆衛生など多様な分野の出身で、臨床経験と医学研究の両方に精通している。

中には、ジョセフ・ヒベルン博士 精神科医および神経科学者で、国立アルコール乱用・アルコール依存症研究所の栄養神経科学部門主任代理。

ロバート・マローン博士 メッセンジャーRNA技術の開発に貢献。

コディ・マイスナー博士 ダートマス大学の小児科教授で、元ACIPメンバー。

マローン博士はXで、「委員会に選ばれたことを光栄に思う。公平かつ厳密に職務を果たす」と投稿した。

クルドーフ博士 疫学者および生物統計学者で、ヒルズデール大学の科学と自由アカデミー設立に貢献。

レツェフ・レビ博士 マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院の運用管理学教授で、オペレーションズ・リサーチの博士号を持つ。

ジェームス・パガーノ救急医。

ビッキー・ペブスワース博士 公衆衛生と看護学の博士号を持ち、全米カトリック看護師協会の地域ディレクター。

マイケル・ロス博士 ジョージ・ワシントン大学とバージニア・コモンウェルス大学の産婦人科臨床教授。

レビ氏は退任するACIPメンバーらについて「最善の判断と高い専門知識に基づき、誠意を持って取り組んだ」と評価した。一方で、今回の人事刷新は「ワクチンや医薬品の安全性と利益を評価するプロセスをより透明で信頼性の高いものにするという広く共有された認識に基づくものだ」と説明した。

同氏は「助言の内容は必ずしも一様ではなく、時に微妙な違いや多様な意見を含むこともある。政策立案者は、提供された意見やデータに基づき、責任を持って最善の判断を下すべきだ」と語った。

さらに、「科学者は科学を分析し、その示唆を反映する役割に徹するべきで、意思決定者となるべきではない」と強調した。

レビ氏は、現代の進歩により「パーソナライズド医療」が可能になったとし、「患者ごとの特性、希望、文化を考慮し、リスクと利益を評価する。それにより、患者が医師と協力して最適な健康選択を行えるようにしたい」と語った。

一部元委員 製薬会社から報酬受けていた

大紀元が開示資料および支払い記録を調査した結果、ケネディ氏が解任した元委員17人のうち少なくとも8人が、過去に製薬会社から報酬を受け取っていたことが判明した。

例えば、2024年から任期を開始したイボンヌ・マルドナド博士は、ファイザーから460万ドルの研究資金と、近年ファイザーとメルクから3万9547ドルの支払いを受けていた。利益相反に関する開示書には、ファイザーの髄膜炎菌ワクチン、コロナワクチン、RSVワクチンの臨床試験に関与していたこと、そしてそれらに関連する投票を棄権していたことが記載されている。

他の前メンバーも、サノフィ、グラクソ・スミスクライン、ファイザー、バルネバ、メルク、ヤンセン・ファーマシューティカルズ、ベーリンガーインゲルハイムから数千ドルの支払いを受けていた。

資金のほとんどは委員になる前に提供されたものだが、すべてではない。ヘレン・ケイップ・タルボット博士は2018年から任期を開始し、2019年にサノフィから7500ドルの研究資金と4662ドルの支払いを受けたと報告している。

委員17人を一斉解任 信頼回復へ

6月9日、米保健福祉省は、ACIPの委員17人に対し、即日付での解任を正式に通知した。ケネディ氏は、この措置は「公衆衛生政策への信頼を回復することが目的だ」と説明した。

ケネディ氏は、ACIPと製薬業界との関係を批判してきた。

自身の寄稿で、「この委員会は持続的な利益相反に悩まされており、ほとんどすべてのワクチンに承認を与える“ゴム印”と化している。安全性の問題で後に市場から撤回されたワクチンでさえ、一度も反対意見を出したことがない」と指摘した。

解任された17人の委員全員がバイデン政権下で任命または任期を更新し、多くが2027年または2028年まで在任予定だった。保健福祉省は声明で、これらの委員を留任したままでは、トランプ政権が新たに任命できる委員は少数にとどまり、「ワクチンに対する国民の信頼を回復するための適切な措置を講じる能力が制限される」と述べた。

新たに任命された委員のうち、、パガーノ博士は近年、製薬会社から約4600ドルの報酬を受けたと報告し、ヒベルン博士はアッヴィを含む企業から338ドル、マイスナー博士はサノフィや別の企業から150ドル未満を受け取ったと報告している。

賛否両論

一部の医師や医療団体は、解任に反対の声を上げた。

アメリカ内科医師会(ACP)会長であり、同会のCDC諮問委員会担当連絡者でもあるジェイソン・ゴールドマン医師は声明で、この動きや最近のコロナワクチン推奨の縮小は、「科学的根拠に基づく医療の実践を妨げ、国民の健康を守るためのワクチンに関する意思決定を導く信頼できる情報源とその科学的根拠に基づくプロセスを不安定にする」と批判した。

アメリカ医師助手アカデミーの会長兼理事会議長であるジェイソン・プレヴェリッジ氏は、「CDCの独立諮問委員会の17人全員を一斉に突然解任する決定は、長年にわたり安全性を証明してきたワクチンや、患者とその家族に予防接種の決定について助言する医療提供者に対する信頼を大きく損なう」と述べた。

上院保健委員会のビル・キャシディ委員長と、同委員会の同委員会の少数派筆頭議員であるバーニー・サンダース氏も、この動きに懸念を表明した。

一方、解任を称賛する声もあった。

ケネディ氏が保健福祉長官に就任する前に議長を務めていた「チルドレンズ・ヘルス・ディフェンス」のCEOであるメアリー・ホーランド氏が、その一人だ。

「この委員会は、研究助成金、株式ポートフォリオ、特許の利害関係を通じて、財政的な利益相反に満ちていた。この変更は、委員会が偏見なくワクチンに関する助言を行う将来の役割を果たすために不可欠だ」とホーランド氏は声明で述べた。