G7カナナスキス・サミットのセッション1「世界経済の見通し」が16日午前11時5分(日本時間同17日午前2時5分)より約100分間開催された。石破首相は同セッションに出席し、世界経済の現状と今後の課題について各国首脳と意見を交わした。
世界経済の現状とリスク認識
石破総理大臣は、世界経済が地政学的緊張や自然災害などのリスクにさらされ、不確実性が一層増していると指摘した。その上で、G7として緊密な意思疎通を図り、不確実性を低減しつつ安定的な成長を実現する必要性を強調した。
国内経済・国際経済システムの改善
石破氏は、米中を含む各国間の貿易収支の不均衡の背景には、持続不可能な各国内のマクロ経済の不均衡が存在することを指摘。問題解決には、各国が国内経済および国際経済システムの改善に取り組む必要があると述べた。また、非市場的政策や慣行がアジアを含む途上国の産業や雇用に悪影響を及ぼしている現状を指摘し、今こそG7が結束して、ルールに基づく自由で公正な経済秩序を築くべく国際社会をリードすべきであると強調した。
多角的自由貿易体制の維持・強化
石破氏は、世界貿易機関(WTO)が世界経済の成長に不可欠な基盤を提供してきたことを評価し、G7各国もその恩恵を受けてきたと述べた。WTOを中核とする多角的自由貿易体制の維持・強化は不可欠であり、公平な競争条件の確保、「途上国地位」の問題、紛争解決制度の改革などの課題を踏まえ、各国が受け入れられる形でWTOの改革を実現する必要があると強調した。
産業強化と国際協調の必要性
最後に、G7をはじめとする各国は投資を通じて自国の産業を強化し、相互に経済を強化していく必要があると述べた。G7首脳は、結束と率直な議論を通じて世界経済を巡る諸課題に主導的に対処していく必要があるとの認識を共有した。
本セッションを通じて、G7各国は世界経済の不確実性を乗り越え、持続的かつ安定的な成長を目指すための協調姿勢を再確認した。
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