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ウクライナが和平交渉の再開を提案 クレムリンは具体的な日程を調整中

2025/07/22
更新: 2025/07/22

ウクライナのゼレンスキー大統領が、今週中にロシアとの新たな和平協議を開催するよう提案したことを受け、クレムリンは21日、現在ウクライナ側と第3回目となる会談の日程を調整中であると明かした。

ロシアのペスコフ大統領府報道官は、「日程が確定し次第、速やかに公表する」とメディアに語った。また、現在両国はそれぞれが提出した停戦草案について協議しており、「両者の提案は対立していて、今後も多くの外交的な調整が必要である」と述べた。

ウクライナとロシアは今年5月と6月、トルコ・イスタンブールでこれまでに2回直接会談を行った。停戦合意には至っていないものの、大規模な捕虜交換や遺体返還については合意している。ロシア側は、2022年にロシアが一方的に編入を主張した4地域からのウクライナ軍撤退を要求しているが、ウクライナ側はこれを強く拒否し、完全停戦やNATO加盟を含む自国の主権を重視するとしている。

ゼレンスキー大統領は7月19日に行った演説で、新たな協議の提案は国家安全保障・国防会議の新書記ウメロフ氏が行ったと説明。「全ての努力は停戦実現に向けなければならない」と述べるとともに、「持続的な平和のためには指導者レベルでの会談が不可欠だ」と強調し、プーチン大統領との直接会談にも意欲を示した。

こうした動きの背景には、アメリカのトランプ大統領が「50日以内に停戦合意に至らない場合、ロシア製品への100%関税や第三国制裁を発動する」と警告を発したことが、ロシア側の姿勢に影響を及ぼしたとの見方が広がっている。

一方、戦闘も続いている。7月19日未明には、ロシア軍がウクライナ南部オデーサを30発以上のミサイルと300機のドローンで攻撃し、少なくとも1人が死亡、6人が負傷。さらに同日、ウクライナ軍がロシア南部ロストフ地方にドローン攻撃を仕掛け、鉄道が約4時間不通になりロシア側作業員1人が負傷した。ロシア国防省の発表によれば、19日午後3時~7時の間にウクライナのドローン27機を迎撃したという。

今回のウクライナ戦争が第二次世界大戦以降ヨーロッパで最も犠牲者の多い紛争となっている。

李言