雇用環境が年々悪化する中国で、「無薪試崗」と呼ばれる無給のお試し勤務が各地で広がっている。この異常な慣行がネット上で炎上し、求職者の怒りを集めている。
実態は、面接後に3〜10日の「無賃トライアル」を課し、終了直前に「経験不足」「職務に適していない」などを理由に不採用とする手口だ。契約もなく賃金も支払われず、働いた側は「タダ働き」となる。
SNSには「三回連続で無給試崗を経験した」「一か月間タダ働きさせられたあげく放り出された」といった声が相次ぎ、「全国で常態化している」との投稿も多い。
企業は求職者を安価な労働力として使い捨て、労働者は証拠が乏しいため泣き寝入りを強いられている。法律家は「無給のお試し勤務は労働法に反し、明らかな違法行為だ」と指摘するが、経済低迷のなかでこの慣行は全国に広がり続けている。
その結果、わずかな「まともな求人」に人々が殺到し、異常な競争倍率を生み出している。
例えば「誠実経営」と高待遇で知られる河南省許昌市(きょしょうし)発の民間スーパーマーケット「胖東来(パントンライ)」では、900人の求人に13万人超が応募した。待遇の良い職を求める競争は約145倍に達し、経済低迷の中で最後のしわ寄せは求職者に押し付けられている。
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