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都市と郡部の攻防 村井知事が僅差で勝利し6選果たす

2025/10/27
更新: 2025/10/27

2025年の宮城県知事選挙は、現職の村井嘉浩氏が34万190票、新人の和田政宗氏が32万4375票を獲得し、わずか1万5千票あまりの差で村井氏が6選を果たした。20年続いた県政に対する評価と刷新の是非が問われた選挙戦は、近年まれに見る接戦となった。

村井氏(65)は5期20年の実績を強調し、安定した行政運営と経済成長の継続を訴えた。県内総生産10兆円を目指す経済政策や、AIを活用した人口減少対策などを掲げ、みやぎ型水道事業を「民間の効率性を活かした成功例」として擁護した。

一方、和田氏(51)は「県政の転換」を掲げ、現職への明確な挑戦状を突きつけた。出生率全国46位という現状を打開するため、「日本一の子育て県」を目指すとし、出産支援金30万円、高校までの授業料と給食費の無償化など、「負担ゼロ」を前面に打ち出した。また、4度にわたる増税を批判し、個人県民税5%減税や宿泊税廃止など、大規模な減税策も訴えた。SNSでも話題となっていた水道事業の再公営化、外国人向け土葬墓地の中止など、県政の見直しを強く求めた。

和田氏が現職に迫った背景には生活に直結する政策の訴求力、保守層の一部離反があった。特に「負担ゼロ」の公約は若い世代の共感を呼び、参政党によるSNS主導の草の根運動が都市部を中心に票を広げた。

和田氏は仙台市内で村井氏を上回ったものの、郡部では全34市町村で現職が優位を維持。地域組織に支えられた村井氏の地盤を崩すには至らなかった。和田氏も「政策の浸透が十分でなかった」と敗戦の弁を述べた。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます