米海軍作戦部長は韓国の原子力潜水艦建造をアメリカが支援すると明言。米韓連携により、中国共産党(中共)や北朝鮮に対する安全保障・抑止力の強化とインド太平洋地域での軍事協力拡大を目指す。
トランプ大統領が韓国による原子力攻撃型潜水艦の建造を承認したことが注目を集めている。米海軍作戦部長のコーデル海軍大将は、アメリカは韓国が最終的に新型潜水艦を就役させ、中共の急速に拡張する艦隊に対抗することを望んでいると述べた。
コーデル氏は「これはアメリカの重要な同盟国として果たすべき責務の一部である」と語った。
また、「そのような潜水艦が中国に対抗するために使われるのは、この種の能力に対する自然な期待だと思う」とも述べた。発言は11月14日、韓国・ソウルでの記者会見で行われた。数時間前、米韓両国は共同声明を発表し、アメリカが韓国の原子力攻撃型潜水艦建造計画を正式に承認したことを明かしている。
コーデル氏はさらに「韓国は、これらの潜水艦を世界的な範囲で運用し、地域海軍からグローバルな海軍へと発展していく役割を担うべきだ」と述べた。
アメリカが予想外に、韓国の原潜計画を承認する前の10月29日、トランプ大統領と韓国の李在明大統領は韓国・慶州で会談を行った。会談で李氏は、原子力潜水艦の燃料を韓国が入手できるようトランプ氏に同意を求めた。李氏は「ディーゼル動力潜水艦は潜航能力が劣り、北朝鮮や中共の潜水艦を追跡する能力に限界がある」と述べたという。
韓国は長年にわたり原子力潜水艦の建造を目指しており、今回のアメリカの承認は大きな前進である。
コーデル氏は、アメリカが韓国の原子力攻撃型潜水艦建造を支援するという決定は、両国にとって「歴史的な瞬間」であると述べた。また、アメリカは同盟国と協力して主要な競争相手である中共に対抗するための目標を共に実現することを期待しているとし、「韓国とアメリカは対中懸念において多くの共通認識を持っており、戦略的な考慮も重要な要素である」と語った。
最近、中共が黄海に構造物を設置した件について、コーデル氏は「このまま放置すれば、今後こうした異常な行動が常態化するおそれがある。もし一定の一線を越える行動が見られれば、アメリカとしては韓国と共に断固として対応する」との見解を示した。
アメリカが正式に韓国の原子力潜水艦建造を支持したことは、韓国が北朝鮮の核の脅威に対応する上で重要な進展を遂げたことを意味する。一方で、アメリカにとっても韓国の原潜は中共をけん制する有力な手段となり得る。トランプ政権は現在、中共を「主要な脅威」と位置づけ、インド太平洋地域の同盟国に軍事的能力の強化を求めている。
米韓が発表した共同声明によると、両国首脳は北朝鮮を含むすべての地域的脅威」に対するアメリカの通常抑止力を強化することで合意し、同時にアメリカが韓国に対して中共の脅威を抑止する役割を果たすことへの期待も示した。声明には、両国が2006年以降に締結してきた関連合意を改めて確認したことも明記している。
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