ペンタゴン(米国防総省、戦争省)は11月17日、政府の研究開発予算を軍事技術の革新に集中させるため、「重要技術分野(Critical Technology Areas:CTA)」として6分野を指定すると発表した。指定された分野は「応用人工知能(AAI)」「バイオ製造(BIO)」「紛争下兵站技術(LOG)」「量子・戦場情報優越(Q-BID)」「大規模指向性エネルギー(SCADE)」「大規模極超音速兵器(SHY)」の6つである。ペンタゴンは現時点で予算の割り当てについては明言していないが、これらの分野に注力する方針を示している。
国防副長官(研究・技術担当)エミル・マイケル氏は公式声明の中で、「我々の競争相手は急速に動いているが、我々はそれ以上の速度で行動する」と述べ、「兵士は明日ではなく“今”の成果を必要としている」と強調した。「この6つの重要技術分野は単なる優先事項ではなく、喫緊の課題である。米軍兵士には最先端技術が与えられ、最大限の統制力を発揮できる。これこそが戦争に勝つための手段だ」と付け加えている。
また、ピート・ヘグセス国防長官は発表時のコメントで、「我が国軍は常に最前線に立つ存在だ。エミル・マイケル副長官が提示した6つの重要技術分野によって、米軍の戦士たちは常に有利な戦いを展開し、最高水準の兵器を手にすることが可能となる。国防総省は、世界最強の戦闘力を維持することに尽力する」と述べている。
エポックタイムズが入手した新CTAに関する省内メモによれば、これら分野の選定には、ロシアとウクライナの戦争、中国共産党による極超音速ミサイルの開発、人工知能分野の開発競争などの状況が考慮されたと記されている。
トランプ政権下、ペンタゴンは軍事研究開発への政府関与を強化し、新技術を政府向けに開発する中小ベンチャー企業との連携拡大を図っている。従来の巨大防衛企業(ロッキード・マーティン、レイセオン、ボーイング、ゼネラル・ダイナミクス等)だけでなく、パランティア、アンドゥリル、スペースXなど、多様な企業との提携が進む。
特筆すべきは、こうした企業幹部(パランティアのCTOシャイアム・サンカー氏、MetaのCTOアンドリュー・ボズワース氏、OpenAIの製品責任者ケビン・ワイル氏、Thinking Machines Labアドバイザーのボブ・マグルー氏など)が米陸軍予備役中佐として「執行イノベーション部隊(Executive Innovation Corps)」に任命されたことである。この部隊は「民間の技術知見を軍に導入する」ことを目的としている。
米軍の中佐、またはそれに相当する階級(O-5)は、一般に少なくとも15年以上の軍務経験を有する。
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