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中国人留学生が「中共に忠誠誓う誓約書」 国会で安全保障上の懸念が議論

2025/11/28
更新: 2025/11/28

中国政府系奨学金を受ける留学生が、渡航前に忠誠や行動管理を約束する「秘密の制約書」に署名しているとして、日本保守党の北村晴男参院議員が政府に調査と対策を求めた。

北村議員は中国国家留学基金管理委員会(CSC)が提供する奨学金制度について、支援を受ける学生は在外大使館などの指導に従う義務を負い、契約違反時には本人だけでなく中国国内の家族や恩師が連帯責任を負う。

また留学期間中、保証人の海外渡航を制限するなど、亡命防止措置と受け取れる条項も示しており、北村議員は「学問の自由を装った情報活動に利用される可能性がある」と述べ、制約書の存在と実態の把握を政府に迫った。

こうした契約を問題視し、ヨーロッパでは見直しが進む例もある。スウェーデンやドイツ、オランダなどの大学がCSCとの連携を打ち切り、アメリカでも先端研究分野で同制度利用者の受け入れ制限が強まっている。一方、日本では東京大学、京都大学、早稲田大学などが受け入れを継続しており、北村議員は「日本が最も無防備だ」と危機感を示した。

文部科学省は、CSC制度に大使館管理などの要件が含まれることは把握しているとしつつ、特定国の留学生のみを対象とした調査や制限には慎重姿勢を示した。各大学の受け入れは外為法に基づき個別に審査していると説明し、制度全体の見直しについては明言を避けた。入国在留管理庁も在留資格の審査は個別判断が原則であり、一律の停止措置には難しさがあると答弁した。

北村議員はまた、中国国内で行われている反日教育の影響にも言及した。教科書、映画、ドラマなどを通じて反日意識が植え付けられ、SNSには日本兵を模した人形に銃剣を突き刺す動画や、政治家を揶揄する寸劇が散見されると紹介。「長年の教育により日本への敵意を持つ者が一定数存在し得る」と述べ、帰化審査においては他国出身者以上に慎重な判断が求められると主張した。

これに対し法務省は、帰化審査は国籍法に基づき社会への融和や遵法精神を確認していると説明。ただし、面接内容や判断基準の詳細は審査に支障をきたすとして明らかにしなかった。北村議員は帰化後に反日活動が発覚した場合に備え、一定期間内の国籍取り消し制度の検討を求めたが、法務省は取り消した場合、該当者が無国籍になってしまう事や法的安定性の観点から慎重姿勢を示した。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます