2025年12月、世界人権週間の前後に、アニメーション・ドキュメンタリー映画「長春」が、関東、福岡、東広島、広島、島根など日本各地で上映された。脚本を担当し、本作の中心人物の一人としても登場するコミックアーティストの郭競雄(大雄・ダーション)氏は複数の会場を訪れ、観客との交流やサイン会を行った。会場は終始、誠実で温かな雰囲気に包まれた。
「長春」は、2002年に中国・長春市で発生したテレビ放送への割り込み事件を基に、アニメーションとドキュメンタリーを融合させた手法で制作された作品で、中国における法輪功学習者への迫害の実態を描いている。真摯な感情表現とユニークな映像表現は、各地の観客に強い印象を残した。
衆議院議員秘書の伊藤真二氏は鑑賞後、中国で行われている強制臓器収奪を含む法輪功への迫害について「その弾圧の仕方がいかにひどいものであったかを感じた」と語り、「人が人に対して行うものとは思えず、動物を扱うかのような極めて野蛮な手段だ」「中国共産党(中共)の意に反する者は人間として扱われていないと強く感じた」と指摘した。
伊藤氏は本作を「一党独裁体制との対決であり、人権をめぐる闘いだ」と位置づけ、「このような社会はなくすべきであり、中国においても同様の体制を終わらせなければならない」と強調した。

老人ホームの医師管理者である吉田耕治さんは、以前から法輪功が迫害を受けていることや、いわゆる生体臓器摘出に関する情報を知っていたと語った。
「法輪功の状況については、ある程度理解しているつもりだ。インターネットなどを通じて、中国で生体臓器摘出が行われているという情報を目にしてきた。特に、医師が主導しているという点は、にわかには信じ難い」と述べた。

さらに、「中国の一部の医師が日本に留学して臓器移植の技術を学び、帰国後に生体臓器摘出の中心的な役割を担っているという内容が、雑誌などで報じられたこともある」と付け加えた。
一般社団法人 ひろしま通訳・ガイド協会の古谷章子顧問は、中国における人権侵害の実態をほとんど知らなかったが、映画を通じて大きな衝撃を受けたと語り、「広く日本の人々にもっともっと多くの人に見てもらうべきだと思った。日本だけじゃなくて海外でも見てもらって中国の現状っていうかそういうのをもっと広く理解するべきだ」と話した。
そして、「日本人も知らないし、中国の人たちも知らないし、本当に大事なことだと思っている。もっと過去を知ることが大事だと思った」と指摘した。

母親が長春で生まれた残留孤児だという岡田貴子さんは、鑑賞中に何度も涙を流した。岡田さんは作品について「映像は非常に美しいが、その背後にこれほど残酷な迫害の現実があることに強い衝撃を受けた」と述べ、「今の中国がこういう形になっていることに、すごく心を痛めている」と語った。
中国語で感謝の言葉を伝えるとともに、「もし中国で迫害を受け、困ったことがあって日本に来ることがあるなら、友人として、身近にそういう方がいれば、できる限りのことをしたい」と語った。

不登校生徒問題の相談顧問を務める崎岡洋己氏は、冒頭のアニメーションの迫力に引き込まれ「人の正義感を揺さぶる内容だった」と感嘆した様子だった。鑑賞前は法輪功についてほとんど知識がなかったが、鑑賞後には状況を明確に理解できたとし、屋根の上から見下ろす視点など多角的な映像表現の完成度の高さも指摘した。
日本国外務大臣賞・特別名誉賞などの受賞歴を持つ画家の池依依依(いけ・いいい)氏は、大雄氏の表現力を高く評価し「デッサンの基礎が非常に確かで、心で描いているように感じる。一般的な画家の枠を超えた存在だ」と語った。さらに、「美に対する真摯な姿勢や、その心、そして魂そのものが感じられた。多くの人を超えた境地に達しており、思わず『魂で描いている』と言いたくなるほどだった」と語った。
鑑賞後の心境については「強い感動を覚えた。心の一本の弦に触れられたかのようだ」と述べた。また「彼らが行ってきたことは尊く、美しい」としたうえで「人生において自分がなすべきことを見定め、正しいことを行うことこそが最も重要だと感じた」と強調した。
その眼差しから歩みのすべてが伝わってくるといい「決して諦めず、最後まで貫こうとする姿勢に深い敬意を抱いた。『これこそが自分がこの世に生まれてきて果たすべき、最も正しく、最も重要なことだ』と信じているからこそ、流されることなく貫き続けているのだと思う」と話した。
池依依依氏は「極めて困難な時代の中で、命を懸けて抵抗し、闘い、犠牲となった彼らの魂は実に美しく、高い次元に達したものだ。そこにこそ最も敬服する」と述べた。
上映会後の座談会で大雄氏は、長春と日本の間の歴史的なつながりに触れ「この映画を通じて真実を知ってもらいたい」と語った。法輪功が掲げる「善」と共産党の思想との対比を指摘し、放送を差し替えた若者たちは、将来の子どもたちが憎しみのない世界で生きられるよう願って行動したのだと説明した。
管理職を務める田佳純さんは「非常に衝撃を受けた」と語り「法輪功を応援ししたい、(身の安全を)心配している」と述べた。さらに、映画を通じて「中国政府と中国人は話を変えて考える相互理解できる環境を作り、真相を伝えていきたい」と話した。

今回、日本各地で行われた上映会は大きな反響を呼び、多くの日本人にこのアニメ・ドキュメンタリー作品を知ってもらうとともに、法輪功が受けてきた迫害の実態を理解するきっかけとなった。主催者は、アニメ・ドキュメンタリーという芸術表現を通じて、今後も国際社会に真実を伝え、より多くの人々の関心と考察を喚起していきたいとしている。
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