12月24日に進水準備がほぼ整ったとした北朝鮮の新型弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)は、国連制裁決議に反して保有した核兵器だ。その動力源である原子炉の供給にはロシアが関与した可能性があり、これを巡って北朝鮮とロシアの背後で緊張や対立が生じていると推察される。
北朝鮮への核・ミサイル関連技術の販売や移転を禁止する国連決議は20件以上あり、アメリカの対北朝鮮制裁は少なくとも5つの大統領令と6つの法律という形をとっている。
このような国際的な決定の集積は、このSSBNやその他多くの核兵器を維持する北朝鮮政権の当局者を訴追するため、あるいは北朝鮮に核、ミサイル、SSBN技術を供給する国際的な供給源やネットワークを訴追するための法的根拠を作るのに役立つだろう。
アメリカを標的とする北朝鮮の核弾頭搭載移動式大陸間弾道ミサイル(ICBM)はすべて、2011年に中国航天科工集団(CASIC)から北朝鮮に移転したオリジナルモデルから派生した、巨大な車輪付き輸送起立発射機(TEL)に搭載している。
北朝鮮の新型SSBNに中国の技術支援が貢献した可能性は大いにあるが、この1軸推進の原子力潜水艦を推進する原子炉システムをロシアが提供したとみられる。
12月28日、スペインのメディア「ラ・ベルダ(La Verdad)」は、2024年12月23日にスペイン近海で沈没したロシアの貨物船「アーサ・メジャー(Ursa Major)」が、北朝鮮向けの原子炉2基を積載していたと報じた。
同報道はさらに、スペイン当局はこの原子炉をソ連時代のVM-4SG型であり、そのうちの2基はソ連のプロジェクト667B、あるいは「デルタ」級SSBNで使用していたものであると特定したと記している。
北朝鮮のSSBNが何基の原子炉を使用しているかは不明だが、ロシアの技術支援が関与していたとすれば、標準的なソ連/ロシア製の2基の原子炉設計を採用していると推察される。
しかし、北朝鮮の最初のSSBNは2024年12月の時点ですでに建造が進んだ段階にあったと思われるため、アーサ・メジャーに積まれていた2組目のロシア製潜水艦用原子炉は、北朝鮮の2隻目のSSBN用だと考えられる。
最大37隻のデルタI/II/III/IV級SSBNが退役しており、将来的にさらに多くの北朝鮮製SSBNや、より小型の巡航ミサイル搭載原子力攻撃潜水艦(SSGN)へ向けて、相当な量の原子炉の供給源となるため、これは大きな懸念材料だ。
この事件に不可解さをさらに加えているのは、ラ・ベルダの報道が、スペイン当局はアーサ・メジャーがスーパーキャビテーション魚雷(超高速魚雷)によって撃沈されたと結論付けたとする点だ。そのような魚雷を装備していると見る海軍には、ロシア、中国、イラン、そしておそらくインドとベトナムが含まれる。
強く示唆されるのは、潜水艦を保有するある国家が、ロシアによる北朝鮮へのさらなる潜水艦用原子炉の輸送を阻止したということだ。
そのような公然たる軍事行動を正当化した理由には、ロシアの核技術拡散の阻止、潜在的な北朝鮮の原子力潜水艦拡散の阻止、そしてより大きな北朝鮮の脅威の出現を阻止することなどが含まれる。
北朝鮮の国営メディアは、同国のSSBNの重量が最大8700トンであると主張した。これは、中国の第一世代である092型(「夏」級)SSBN(8千トン)や、ソ連/ロシアの第一世代であるプロジェクト667「ヤンキー」級SSBN(9300トン)の重量に近い。
しかし、北朝鮮のSSBNは中国やロシアのSSBNのような構成ではない。中露はいずれも潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を潜水艦のセイル(司令塔)後方の格納庫に配置しているが、北朝鮮のSSBNはSLBMを格納するために、より大型のセイルを使用している。
ある意味で、これは3発のSLBMを拡大したセイル内に格納していたソ連時代のプロジェクト658「ホテル」級SSBNや、同じくセイル内のサイロからSLBMを発射した、非原子力動力のソ連製プロジェクト629「ゴルフ」級をコピーした中国の031型に似ている。
中国は輸出する大量破壊兵器の出所を隠蔽するために独自の形状を用いることを長年実践しており、SSBNのSLBM用セイルに精通した何世代もの技術者を擁しているはずで、これは重要である。
北朝鮮のSSBNが搭載するSLBMの数は明らかではない。セイルの左舷と右舷に開くSLBMのサイロの扉が5つあるように見え、セイルの高さは船体の推定直径33~41フィートに近く、セイル上部の幅は16~19フィートに近い。
これは、直径7.5フィートのコールドランチ(常温発射)用チューブで発射されるSLBMを5発ずつ2列、収容するのに十分な面積だろう。しかし、12月24日に金正恩氏がSSBNのセイルの上に立っている画像では、2列のSLBMの間の仕切りは確認できない。
それでも、2列のSLBMという推定は、北朝鮮が2022年4月の軍事パレードで公開した最新のSLBM「北極星6号(Pukguksong-6)」の推定直径7.5フィートを収容できるものだ。ただし、同ミサイルが発射実験を行ったとは報じられていない。
2022年に公開された北極星6号は、他の初期のSLBMの多くと同様に2段式のように見えるが、北朝鮮SSBNのサイロの長さは、おそらく最大52フィートあり、北極星6号の推定長42フィートを超えている。これは、新型の3段式長距離SLBMが北朝鮮のSSBNに装備されることを示唆している。
もしそうだとすれば、そのような新型の北朝鮮製3段式SLBMは、中国に近い北朝鮮西海岸、あるいはロシアに近い東海岸の防護されたSSBNの「聖域(バスティオン)」から、アメリカ本土西部の標的へ容易に到達できるかもしれない。
別の説明としては、サイロが北朝鮮の3段式固体燃料ICBM「火星18」の新型短縮版を収容するのに十分な長さであり、おそらくアメリカ西半分の標的に到達可能というものだ。
聖域戦略での配備の可能性を示すもう一つの兆候は、北朝鮮のSSBNが非常に大きな側面ソナーアレイを持っていることだ。これはおそらく、彼らを追跡する韓国、日本、アメリカの潜水艦から隠れるために必要な強力なセンサーであろう。
北朝鮮がこの最初のSSBNで成功を収めたことから生じる大きな危険は、北朝鮮がすでにこの潜水艦の輸出を模索していることだ。北朝鮮は、ロシア製潜水艦用原子炉の信頼できる供給源を備えているとして、この潜水艦を売り込むことができる。
初期の潜在的な顧客としては、2025年9月の同盟関係において、サウジアラビアの防衛に自国の核戦力を投じると確約したパキスタンが考えられる。
サウジアラビアが資金提供する可能性のある北朝鮮・ロシア製SSBNは、同盟国サウジアラビアのために核抑止力を確保する、あるいはイスラエルを脅かすパキスタンの能力への信憑性を大幅に高めるだろう。
もし中国とロシアに支援されたベネズエラのニコラス・マドゥロ独裁政権があと2年存続していたら、彼の政権も北朝鮮製SSBNの初期の顧客になっていたと考えられる。
もし北朝鮮のSSBNが遠くの外洋へ進出した場合、アメリカ、韓国、日本は、政治的・軍事的な正当性に加えて、それを撃沈する法的権限を持っているのだろうか?

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