【十字路口】中国人口急減 実人口10億未満か 人が謎のように消えている

2026/01/21
更新: 2026/01/21

中国国家統計局が発表、2025年人口339万人減の14億489万人。出生792万人で建国後最低、4年連続自然減少。経済低迷・高額結婚費・職場不寛容が若者の「産む勇気」を奪い、実人口は公安データで9.7億人か。影響は製造業衰退・不動産崩壊へ。

私たちは中国が大国であることを知っているが、では実際に中国の人口がどれほどなのか、ご存じだろうか。

この問いは、かねてから「地球外生命体は存在するのか」という問いと同じくらい謎めいた問題である。なぜなら、中国共産党(中共)の公式統計は常に曖昧で不透明だからである。それでも、この2年間、多くの地域で「人が以前より明らかに減った」と実感する現象が広がっている。

中共の国家統計局は1月19日、最新データを公表した。2025年の中国の人口は339万人減少し、総人口は14億489万人となった。出生数はわずか792万人にとどまり、これは共産党政権成立以来の最低値であるだけでなく、1738年──清の乾隆3年──以来の水準に戻った計算になる。実に約300年の後退である。これはまた、習近平のあだ名「清零宗(ゼロコロナ政策信仰の教祖)」とも皮肉な形で呼応しているように見える。

さらに中国では、出生数が死亡数を下回る「人口の自然減少」が4年連続で続いており、この傾向はパンデミック発生以降、一貫している。言い換えれば、現在の中国は「生まれる人より亡くなる人の方が多い」状態にあるということである。

この現象の背後には多くの重要なポイントがある。本日の番組では、次の3点について取り上げる。

・中国で出生数が減少した理由とは何か。
・人口減少がもたらす影響とは何か。
・中国の実際の人口は現在どれほどなのか。

一、中国出生数急落の5大理由 経済苦・結婚難が若者を直撃

まず、この数年間の出生数を振り返ってみる。2021年は1062万人、2022年は956万人、2023年は902万人、2024年は954万人であったが、2025年には一気に急落し、わずか792万人と「800万人の壁」を割り込んでいる。

いったいなぜ、このような事態になったのか。

要するに、中国の若者たちは子供を「産む勇気がない」のである。では、なぜ産む勇気がないのか。その背後には、いくつかの主な理由がある。

主因① 経済の低迷、就職難、重すぎる生活負担

率直に言えば、すべて一言で言い表すことができる。「生んでも養えず、養っても育てられず、育てても病気にさせられない」

周知のように、2020年のコロナ禍以降、中国経済は悪化の一途をたどっている。外資は撤退し、企業は倒産や減給が相次ぎ、多くの若者が就職できず、やむなく低賃金の仕事に転じざるを得ない状況に置かれている。専門家によれば、中国の若年層の実際の失業率は46.5%に達している可能性がある。

若者は自分ひとりの生活でも苦しいが、さらに「住宅・教育・医療」という3つの「巨大な山」が立ちはだかる。住宅価格は高すぎて家が買えず、教育費や塾代が重くのしかかり、医療費も高額で、健康すら脅かされる。つまり、子供を産むことは「長期的な貧困状態」とほぼ同義であり、若者たちが子供を持ちたがらないのは当然である。

主因② 結婚費用の重さから、あえて独身を選ぶ

結婚に際して、どれほどの結納金を支払った(あるいは受け取った)だろうか。中国特有の慣習により、高額な結納金は、多くの男性にとって結婚を諦めざるを得ない高い壁となっている。

裕福な家庭に生まれなかった多くの若者は、結婚するために高額な結納金を支払うだけでなく、住宅までプレゼントしなければならない場合もある。まさに「結婚=超高額取引」である。経済不況と就職難がこれに拍車をかけ、若者たちは結婚を諦め、「四不青年(恋愛しない・結婚しない・家を買わない・子を持たない)」と呼ばれる層を形成している。

公式統計によると、中国の結婚組数は2023年の768万組から、2024年には610万組へと激減し、減少率は26%に達した。専門家は、2025年の数字はさらに悪化すると予測している。

主因③ 職場環境が家庭に不寛容であること

多くの中国企業では「996勤務(朝9時~夜9時、週6日勤務)」が常態化しており、「残業しても賃金が出ない」ケースも珍しくない。とりわけ景気が悪化している現在、企業倒産やリストラが相次ぐなかで、社員は職を失うまいと必死に働き続け、その分、家庭との時間を失っている。

さらに、多くの企業には妊娠した女性を不利に扱う「暗黙のルール」が存在する。

妊娠が分かると、会社から徐々に外され、昇進の機会を失い、事実上退職へと追い込まれるのである。一方、男性社員が育児休暇を取ろうとしても、やはり冷遇される。過度の競争(内巻)に支配された職場では、「子供を育てたいなら家に戻ってやればよい。その間は他の人にやらせる。しかも給料は下げる」といった現実がまかり通っているのである。

主因④ 国家制度への不信と社会保障の欠如

若者たちは「三つの山」に怯えているうえ、政府の財政難によって導入された「強制的社会保険制度」が、さらに生活を圧迫している。

これは「五険一金(年金、医療、失業、労災、生育保険+住宅積立金)」の全額支払いを国民に要求するもので、その結果、若者の手取り収入はいっそう少なくなっている。

実際、ある女性の実習弁護士は「月給2500元(約5万6750円)のうち、社会保険を差し引かれると手元に残るのは700元(約1万5890円)。1日あたりの実収入はわずか30元(約681円)ほどで、食費だけでも足りない」と涙ながらに訴えた。

このような状況で、どうやって子供を育てられるというのか。

確かに中共政府は昨年から「育児補助金制度」を導入し、子供1人につき年間3600元(約8万1720円)の補助を支給している。しかし、月に換算するとわずか300元(約6810円)程度であり、とても十分とは言えない。しかも、この制度がいつまで続くかは誰にも分からない。

言うまでもなく、「中共の政策は月のようなもの。満ち欠けが激しい」のである。数年前まで「一人っ子政策」で出生を厳しく制限していたにもかかわらず、突然「もっと産め」と言い出し、またいつ逆方向の方針に転じるか分からない。

このように持続性も信頼性も乏しい制度の下では、若者たちは将来に安心感を持つことができない。その結果、「結婚も出産も避けて、まず自分の身を守る」生き方を選ぶ人が増えている。

主因⑤ 「親世代を見て学んだ」慎重さ

中国で子供を育てるコストは年々上昇している。ある研究によれば、子供1人を0歳から大学卒業(22歳)まで育てるために必要な平均費用は68万元(約1543万6千円)とされる。

年換算では3万数千元(約68万円程度)、月にして2千~3千元(約4万5400~6万8100円)の出費である。しかし、中国では月収2千元(約4万5400円)以下の人が9億6千万人を超えるとも言われている。

多くの若者は、自分の親が自分を育てるために、どれほど苦労して働き、時間と体力を費やしてきたかを目の当たりにしている。その結果、親の手元には貯蓄がほとんど残らず、場合によっては借金まで抱え、老後の生活にさえ不安を抱えるケースも少なくない。

そうした現実を見てきた若者たちは、「自分には同じことはできない」と強く感じている。そのため、「若者が子供を産まないのはわがままではなく、むしろ現実を直視しているからだ」と言われるようになっている。

中共の体制下では、子を持つことはもはや「平等な人権」ではなく、「限られた特権」に見えてしまっているのである。

二、人口減少の衝撃影響 製造業崩壊・不動産危機・高齢化負担増

中国ではすでに4年連続で人口が減少しており、現在の年齢中央値は約40.1歳と、全体として高齢化が進んでいる。これはアメリカの38.5歳よりも高い水準である。こうした人口構造の変化は、中国にどのような影響をもたらすのか。

影響1 人口ボーナスの減少、さらには消失

第一に、人口ボーナス(人口増加による経済成長の恩恵)が継続的に減少し、最終的には消失する可能性がある。若い労働人口の数が減少しているため、企業に安価で豊富な労働力を供給できなくなり、賃金コストは上昇し、労働者の確保も難しくなる。

その結果、「中国製造」のコストが上昇し、競争力が低下する。これによって多くの製造業が倒産したり、インドや若年層の多い東南アジア諸国へ工場を移転する動きが広がっている。そのため、中国の経済生産と雇用機会は今後、長期的な減退局面に入ることが予想される。

影響2 消費力の低下、内需経済の支えを失う

次に、若年層の減少は国内の消費力低下を招き、内需主導の経済を支えることを難しくする。若い世代が減るということは、家庭で収入を得る人が少なくなることを意味し、多くの家庭が支出を抑制するようになる。

また、若年層は本来もっとも消費意欲が旺盛な世代であるが、この「消費世代」が縮小すれば、中共が掲げる「内需の大循環」も支えきれなくなる。その結果、今後はサービス業や外食産業の収益が引き続き減少していく見通しである。

影響3 住宅需要の急減、債務危機拡大への懸念

さらに重要なのは、若者が減少することで住宅購入の需要が大幅に減退する点である。すでに崩壊状態にある中国の不動産市場にとって、これはまさに「泣きっ面に蜂」どころか、「終末の騎士が到来した」かのような打撃である。今後、中国の債務危機はさらに広範に拡散していく恐れがある。

まず、不動産会社が住宅を売れず、銀行への借入金を返済できなくなる。その莫大な債務は銀行が負担することになり、銀行は巨額の不良債権と損失を抱えることになる。

次に、住宅ローンを組んだ個人も返済が困難となり、「ローン返済停止」が発生する。この債務も最終的には銀行の不良債権となって跳ね返る。さらに住宅価格が下落し続けることで、担保となっている住宅を競売にかけても元本を回収できなくなる。そのため、中国の金融システムは高圧的な債務危機に直面し、中国版の金融危機が発生する可能性も否定できない。

影響4 政府収入の縮小、労働人口への負担増加

もう一点重要なのは、政府の財政収入が一段と縮小する点である。所得を得る若者が減ることで、課税対象の基盤が狭まり、各地方政府は深刻な財政難に直面する。これにより、年金や失業保険など社会保障の運営が難しくなり、地方政府が職員の給与を引き下げたり、最悪の場合には支払えなくなる事態も考えられる。

さらに深刻なのは、人口全体の高齢化によって、少数の若年層が増大する高齢人口を支えなければならなくなる点である。年金、福祉、保険などの支出は、若い納税者の負担に依存している。

そのため、今後は「1人の若者が2人の高齢者を養う」「1人で3人を養う」といった負担構造に陥る見通しが高い。

三、中国実人口の闇 公式14億超えは嘘? 公安データで9.7億人

では、現在の中国の人口は実際どのくらいなのか。これは中共が最も厳重に秘匿している国家機密の一つであり、真相を知るのは党の高層部のごく少数に限られているとみられる。政府は依然として「14億人」と公称しているが、過去4年間にわたって当局は人口減少の兆候を示すデータを断続的に公表しており、その時期は新型コロナの流行拡大と重なっている。言い換えれば、あの感染症が中国の人口に深刻な打撃を与えたと推察する。

2023年、安徽省のある葬儀場の納棺師が、「全国の火化人数は葬儀場システム上で約2億8千万人に達していた」と証言した。ただし、農村部には火葬場が存在しない地域も多く、患者が亡くなるとそのまま土葬される例が少なくないため、この数字は全体を反映していないと述べた。彼女の推計では、感染症流行期に中国国内で死亡した人数は3億人を超えるという。

仮に当初の人口が14億人だとすれば、3億人を差し引いた2023年時点での人口は約11億人という計算になる。

一方、中国人口問題を専門的に研究するアメリカの学者・易富賢氏は、2021年の時点で「中国の実際の人口は12億8千万人程度だ」と試算していた。もし易氏の推定が正しく、さらに感染症によって3億人が死亡したとすれば、中国の現在の実人口は10億人を下回るとみられる。

驚くべき数字に聞こえるかもしれないが、実は2022年時点で、上海公安のデータベースから国際ハッカーが中国人の個人情報(氏名・住所・携帯番号など)を流出させた事件があった。そのデータに含まれる登録人数はおよそ10億人だったのである。

その後、2人のサイバーセキュリティ研究者が独自にこのデータベースを分析し、「記録数は9億7千万件であり、1件が1人の住民情報に対応している」と確認した。つまり、公安当局のデータベースが掌握していた中国の人口は9.7億人ということになる。

もちろん、このデータには中共上層幹部の個人情報などは含まれていないと考えられる。仮にすべての公務員データが除外されているとしても、2022年時点で中国全土の公務員は710万人にとどまる。したがって9億7千万人に710万人を加えても合計は9億8千万人となり、10億人には届かない。この結果は、先ほどの推計とも符合している。

この算定はあくまで簡略的ではあるが、外部から入手可能な諸データを総合的に見ても、中国の実際の人口はすでに10億人を下回っていると考えられる。

そのため、中国内では「人が減った」「レストランや商業施設に客がいない」と実感する声も多く聞かれる。また、AIによる人口推計で「中国の実際の人口は5億人程度」とする説もあるが、筆者はさすがにこの数字は低すぎるとみている。それでも、さまざまな兆候から判断すれば、現在の中国の人口が10億人未満である可能性はかなり高いと言える。

では、中国の人口減少問題をどのように解決すべきか。筆者は明確な解決策は分からないとしながらも、「共産党政権と「ゼロコロナ教」がこれまで通り統治を続ければ、中国人の生活は『生きる苦しみは死ぬよりも重い』状態が続くに違いない」と結んでいる。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
唐浩
台湾の大手財経誌の研究員兼上級記者を経て、米国でテレビニュース番組プロデューサー、新聞社編集長などを歴任。現在は自身の動画番組「世界十字路口」「唐浩視界」で中国を含む国際時事を解説する。米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)、台湾の政経最前線などにも評論家として出演。古詩や唐詩を主に扱う詩人でもあり、詩集「唐浩詩集」を出版した。旅行が好きで、日本の京都や奈良も訪れる。 新興プラットフォーム「乾淨世界(Ganjing World)」個人ページに多数動画掲載。