【分析】軍が北京に異動の情報も  張又俠拘束後「中国で内戦勃発の可能性」

2026/01/28
更新: 2026/01/28

中国共産党中央軍事委員会副主席の張又俠と、中央軍事委員会委員で連合参謀部参謀長の劉振立が相次いで拘束されたことを受け、世論に衝撃が広がっている。台湾のベテラン政治経済評論家である呉嘉隆は、張又俠を支持する部隊が北京に向かって進軍しているとの情報があるとし、中国で内戦が勃発する可能性があると分析した。

中国国防部は1月24日、中央政治局委員で中央軍事委員会副主席の張又俠と、中央軍事委員会委員で連合参謀部参謀長の劉振立について「重大な規律・法律違反」の疑いで立件調査を開始したと発表した。

呉嘉隆は26日、フェイスブックへの投稿で、張又俠と劉振立の拘束を巡る状況はまだ決着しておらず、習近平政権がメディアを通じて公式発表を急いでいること自体が、双方の情勢が緊迫していることを示していると指摘し「中国の情勢は悪化する可能性がある」と述べた。

記事は関係筋の分析として「張又俠を支持する部隊が北京に向かって進軍しているとの情報があり、中国で内戦が起きる可能性がある」と伝えた。

張又俠の拘束後、インターネット上に出回った動画には、中国の高速道路を軍用車両の車列が走行する様子が映っており、北京に向かっているとの見方が広がっている。

海外在住の元内モンゴル自治区官僚である杜文は、以前Xへの投稿で、張又俠が拘束された後、習近平が「部隊の北京進軍を非常に恐れている」と述べた。杜文は体制内部の情報として、中国人民解放軍は1949年の中共の建政以来で最も緊張した状態にあり、軍内ナンバー2とされる張又俠はこれまでに数千人規模の将軍を登用してきたと指摘し、張又俠の拘束後、軍が大規模な離反を起こす可能性があるとした。

呉嘉隆はさらに、張又俠を容易に処理できると考えるべきではないとし、習近平が進めてきた多くの政策が頓挫してきたと指摘した。一帯一路構想、雄安新区、粤港澳大湾区、北京証券取引所、海南自由貿易区、深セン国際金融センターはいずれも成果を上げられておらず、香港政策も行き詰まっているとしたうえで、張又俠への対応も最終的に失敗に終わる可能性があるとの見方を示し、当面は情勢を見守る必要があると述べた。

また呉嘉隆は、習近平が今回の件で権力を完全に掌握し、台湾に対して軍事的冒険に出るとの見方には同意しないと述べた。現在、習近平は張又俠との内部対立への対応に追われており、台湾に向けた軍事行動に割く余力はないとの認識を示した。

呉嘉隆は、台湾の安全確保には、中国共産党内部での情報網や内通者の存在、衛星による中国国内の軍事動向監視が不可欠であり、台湾侵攻は容易ではないと指摘した。そのうえで、習近平の下に台湾侵攻という困難な任務を遂行できる将軍がいるのか疑問だと述べ、そのような人物がいるのであれば、張又俠を排除する必要はなかったはずだと指摘した。

呉嘉隆は、中国共産党内部で内戦が発生し、その後、地方分権や群雄割拠の状態、さらには清朝末期のような局面に至る可能性も排除できないとし「そうした可能性が存在する以上、急ぐ必要はなく、まずは様子を見るべきだ」と述べた。

Xのアカウント「号角」は26日、張又俠拘束を巡る真相は現時点では不明だとしつつ、確実な点として二つを挙げた。一つは、相次ぐ軍幹部の失脚により、習近平が軍権を完全に掌握しているかどうかにかかわらず、軍の支持を完全に失ったこと、もう一つは、省・部級を含むすべての幹部組織においても、習近平が威信と人心を失っていることだとした。

投稿はさらに、習近平が軍と政界の支持を失った現状では、中国各地で軍閥や地方勢力が割拠する初期条件がすでに整っていると分析し、今後1週間以内に情勢が急変する可能性があると指摘した。軍内の不満が連鎖すれば、将軍らが兵力を掌握したまま命令に従わず、地方勢力と連携して事実上の分権状態を形成する可能性があるとし、その場合、習近平は一か八かの賭けに出るか、退陣するかの選択を迫られると分析した。