中国共産党(中共)中央政治局は30日、会議を開いたが、中央軍事委員会副主席の張又俠、同委員の劉振立が調査対象となった件には触れず、党中央の「集中統一指導を堅持する」ことのみを強調した。微妙なシグナルとして注目を集めている。
新華社によると、今回の政治局会議も習近平が主宰した。会議では、全国人民代表大会常務委員会、国務院、全国政治協商会議、最高人民法院、最高人民検察院の五大機関の活動報告と、中央書記処の活動報告を総合した報告書を審議した。
会議は、今年が「第15次五か年計画」(2026~2031年)の初年度に当たるとした上で、これら五つの党組織は習近平思想を指導思想とし、「党中央の集中統一指導を堅持する」必要があるとした。
公式発表では、張又俠および劉振立が調査を受けている件には一切触れられなかった。一方で「会議はその他の事項も研究した」との一文が盛り込まれており、これが中共上層の人事に関わる内容ではないかとの見方が出ている。
同日夜の中国中央テレビ(CCTV)のニュース番組「新聞聯播」は、政治局会議の開催を報じたが、会議の映像は公開されず、アナウンサーが原稿を読み上げる形にとどまった。
中共国防部は24日、張又俠と劉振立が「重大な規律違反・法律違反の疑い」で立件調査を受けていると発表した。これを受けて中共軍機関紙は社説を掲載し、両氏が「軍委主席責任制を深刻に踏みにじり、破壊した」と批判した。
張又俠失脚の報道は国際社会に衝撃を与えたが、異例なことに、中共軍の各軍種や五大戦区はいずれも、中央の拘束決定を支持する声明を公表していない。この軍の沈黙は、外部の関心を集めている。
また、軍や官製メディアは、張又俠と劉振立の失脚を最初に伝えた後、両氏の名前に言及しなくなっている。
国防部は29日の記者会見で、蔣斌報道官が、張又俠が米国に核機密を漏洩したため調査を受けているとする米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道を否定し「憶測を控えるように」と述べた。
国防部の英語版公式サイトには、同日の記者会見の全文はいまだ掲載されていない。中国語版サイトでは、張又俠、劉振立、反腐敗に関する質疑応答が削除された。
同様の状況は、国務院台湾事務弁公室の記者会見でも見られた。28日の会見で、張晗報道官が「張又俠事件が両岸関係に影響するか」との質問を受け、一時資料に目を通した後、回答の中で張又俠や劉振立の名前には触れず「腐敗摘発に聖域はない」などと述べるにとどめた。
国台弁の公式サイトに掲載された会見記録でも、張又俠と劉振立の名前は使われず「中国大陸側の軍上層部の人事の動揺」と表現された。
中国軍機関紙は30日、反腐敗を強調する論評を改めて掲載したが、やはり張又俠と劉振立の名前には触れなかった。
事情に詳しい関係者が大紀元に語ったところによると、張又俠と劉振立の調査後、中央軍事委員会が軍に下達した複数の指示が、末端部隊で広く抵抗を受けているという。中央軍事委員会弁公庁が各戦区や集団軍に送付した少なくとも2通の文書が実行されず、軍令が形骸化し、中共軍の運営状況に異例の混乱が生じているとされる。
民主活動家の唐柏橋氏は25日、Xに投稿し、「入手した一次情報によれば、張又俠案件はまだ決着していない。双方は拘束の合法性をめぐって論争している。張の家族や一部の部下は公然と不満を示し、是正を求めている。当局はさらなる動きを止めた。習近平の絶対的権威は初めて挑戦を受け、偶発的衝突の可能性が高まっている」と述べた。
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