2026年ミラノ冬季五輪フィギュアスケート女子シングルで、金メダルを獲得したアリサ・リュウ(劉美賢)選手は、一躍メディアの注目を集めた。父の劉俊(アーサー・リュウ)氏は、複雑な心境を明かした。
劉俊氏は「USAトゥデー」の独占インタビューに応じ、栄光の裏側で、かつて娘を苦しめた過去を率直に振り返った。
劉氏は、娘が現在は世界の頂点に立ったものの、かつて自身の過度な関与によって才能を台無しにしかけたと語った。特に悔やんでいるのは、数年前のコーチ変更がきっかけで娘が「スケートを嫌いになり」16歳で一度競技を離れたことだという。
「振り返ると、私は間違いを犯したと思う」と劉氏は語り、当時、娘は「スケートが嫌になり、最終的に離れることになった」と明かした。
さらに、2022年北京冬季オリンピックを前に、娘を単身でコロラドスプリングスに送り出したことも後悔している。当時、劉氏自身は法律事務所の仕事や他の4人の子どもの世話に追われ、そばにいられなかったのだ。
「彼女はとてもつらく、ホームシックにもなっていた。私が寄宿学校で乗り越えたように乗り切れると思っていたが、彼女の苦しさに気づかなかった」と振り返った。リュウ選手は同大会で6位に終わり、その後は表舞台から遠ざかった。
18歳で競技復帰を決めた際、リュウ選手は父に「私は戻るけれど、自分のやり方でやる」と条件を示した。
シングルファーザーの劉俊氏はそれを受け入れ、娘の意思を尊重して距離を置いた。彼は娘のマネジメントチームから退き、具体的な業務に関与しなくなった。
劉氏は「独立したいと言われた時は少し寂しかったが、それこそが自分の望んでいたことだった」と語り、「彼女に対して、(父としての)役割は果たした。今は他の4人の子どもに集中すべきだ」と述べた。
フリー演技の決勝当夜、劉俊氏は他の4人の子どもを連れてミラノの会場スタンド2列目で観戦した。リュウ選手はウォームアップ中に家族の姿を見つけ、ハートのジェスチャーを送った。
演技本番でリュウ選手は完璧な滑りを見せ、日本の中井亜美選手と坂本花織選手を抑えて優勝。アメリカ勢として2002年以来となる女子シングルの金メダルを獲得した。
劉俊氏は「今一番うれしいのはメダルの獲得ではなく、娘が子どもの頃のように純粋にスケートを楽しむ姿を取り戻したことだ」と語った。
劉俊氏は1989年の中国民主化運動に参加したことで指名手配を受け、その後中国共産党の統治から逃れてアメリカに移住した。ミラノで新唐人テレビの取材に対し、中国共産党の人権状況への懸念から、娘が中国代表として出場することは認めないと述べた。
劉氏は「彼女は今、観客を見ると本当にうれしそうだ。ただ素晴らしい演技を見せたいだけなのだと思う」と述べた。
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