米国のトランプ政権が、イランの核兵器開発を阻止するため、米軍の特殊部隊を投入して高濃縮ウランを直接奪取する軍事作戦の検討を進めていることが分かった。昨年の米イスラエルによる大規模空爆以降、核材料の正確な所在が不明となっており、米国とイスラエルは現在、この「消えた核物質」の行方を追跡している。
問題の発端は、昨年6月に米国とイスラエルがイランの主要核施設に対して12日間にわたり実施した空爆作戦「ミッドナイト・ハンマー」である。作戦では地下施設の破壊を狙い、地中貫通爆弾(バンカーバスター)が使用されたが、攻撃後、イランが保有していた高濃縮ウランの所在が確認できなくなった。
国連の国際原子力機関(IAEA)の査察官が最後に高濃縮ウランの位置を確認したのは約9か月前とされる。最近、行われた米イスラエルによる空爆の数週間前には、イスファハン近郊の山岳トンネル施設周辺で継続的な活動が確認されており、外交関係者の間では少なくとも一部の核材料が事前に移送された可能性が指摘されている。
米国の評価では、この施設には核爆弾約11発分の製造に相当する約441キログラムの高濃縮ウランが保管されていたとみられる。米国とイスラエルは現在、米国とイスラエルは現在、核物質の所在特定を積極的に進めている。
背景には、空爆のみではイランの核武装を完全に阻止することが困難との認識がある。イランは過去の空爆以降、核関連施設や弾道ミサイル工場をより深い地下施設へと移転させており、従来型のバンカーバスターでも破壊が難しくなっているとみられる。
マルコ・ルビオ米国務長官は最近、米軍の空爆が主にイランのミサイル製造能力の破壊を目的としていたことを示唆しており、核施設そのものの完全破壊には言及していない。安全保障の専門家の間では、イランの核兵器保有を確実に阻止する手段として、イラン国内での政権交代、あるいは地上部隊の投入といった選択肢が議論されている。
こうした中で検討されているのが、米軍特殊部隊が現地に突入し、高濃縮ウランを直接回収する作戦である。米国の規制当局の試算では、問題となっている高濃縮ウラン約441キログラムは、高さ約90センチ、重さ約25キログラムの大型スキューバタンク型の金属容器およそ16本に収まるとみられ、理論上は車両1台や少人数の部隊でも搬出可能とされる。
ただし、作戦の実行には大きな課題もある。第一に、隠された核物質の正確な場所を特定する必要がある。第二に、地上部隊の投入は空爆に比べてはるかにリスクが高いという点である
トランプ大統領は3月7日、地上部隊の投入について詳細には触れなかったものの、選択肢から完全には排除していない。トランプ大統領は、地上部隊を投入するには「極めて十分な理由」が必要であり、イランが地上戦をほぼ行えない水準まで弱体化していることが前提になるとの認識を示している。
現在続く空爆には、イラン革命防衛隊(IRGC)の戦力を削ぎ、強硬派体制を弱体化させる狙いも含まれているとみられる。
国際社会が懸念しているのは、これらの高濃縮ウランがすでにこれらの高濃縮ウランがすでに分散され、隠蔽されている可能性だ。もし核物質の奪取や完全破壊に失敗すれば、イランの核材料は今後長期間にわたり国際安全保障上の重大な脅威となり続ける可能性も否定できないだろう。

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