中国共産党軍 台湾周辺で活動再開 航空機26機・艦艇7隻確認

2026/03/16
更新: 2026/03/16

台湾国防部は15日、同日午前6時(台湾時間)までの24時間に、台湾周辺で活動する中国共産党軍(中共軍)の航空機延べ26機と海軍艦艇7隻を確認したと発表した。確認された航空機のうち16機が台湾北部、中部、南西部の防空識別圏(ADIZ)に進入し、台湾軍が監視と対応を行った。

今回の動きは、直近数週間に見られていた中国軍の「異例の静観」状態からの転換を示すものとみられる。

台湾側の発表によると、中共空軍は2月27日から3月11日までの13日間のうち、11日間で台湾周辺の活動が確認されなかった。特に2月27日から3月5日までの7日間は航空機の活動が途絶えており、2021年以降で最も長い空白期間となっていた。

今回確認された26機という規模は、この沈黙期間を経て、中国が台湾周辺での通常の軍事的圧力、いわゆる「グレーゾーン・コーション」を再開した可能性を示唆している。

今回の活動再開の背景には、中国国内の政治日程があるとみられている。中国では全国人民代表大会と中国人民政治協商会議からなる年次政治イベント「両会」が3月12日に閉幕した。過去の傾向として、こうした政治イベント期間中は台湾防空識別圏への進入活動が減少することが確認されている。

また、中共政府の今年の政府活動報告では、台湾政策の表現が従来の「台湾独立に反対する」から「台湾独立を打撃する」というより強硬な表現へと変更された。これは、頼清徳総統の就任後、中国が台湾に対する圧力を強めている姿勢を反映しているとの見方が出ている。

軍事面では、中国が推進する軍の近代化も注目されている。中国の2026年国防予算は前年比約7%増の約2780億ドルとされ、AIや自律型兵器を指揮統制に組み込む「インテリジェント化」の推進が柱の一つとなっている。

今回の台湾周辺での活動も、こうした新技術の運用能力を検証する訓練の一環である可能性がある。

地域の安全保障環境も変化している。台湾では現在、追加の国防予算案が立法院で審議されている。中共政府側が軍事活動を一時的に抑えることで、防衛費増額をめぐる台湾国内の議論に影響を与えようとした可能性も指摘されていたが、今回の活動再開は台湾側の警戒を再び高める結果となった。

中共海軍では、東部戦区に最新鋭の055型駆逐艦(大連級)「東莞」と「安慶」が新たに配備されたことも確認されている。これらの艦艇は強力な防空能力や対潜能力を備え、水陸両用作戦の支援などに用いられるとみられている。

日本政府も対応を進めており、防衛省は熊本県の陸上自衛隊健軍駐屯地に射程900キロ以上の12式地対艦誘導弾(能力向上型)を3月末までに配備する計画だ。中共海軍の西太平洋進出を抑止する狙いがある。

台湾の顧立雄国防部長は、最近の活動停止について「緩和と解釈すべきではない」と警告しており、今回の活動再開は中国が軍事的手段を通じて台湾への政治的圧力を維持する姿勢を改めて示した形だ。