3月17日、イスラエルによる精密空爆で、イラン政権の中核人物ラリジャニ氏と息子や複数の護衛が死亡した。18日には、作戦の詳細も明らかになってきた。分析では、ラリジャニ氏は体制内で各勢力を調整する中枢的存在とされ、その死は権力構造に大きな影響を与え、戦局を左右する可能性があるとの見方が強まっている。
空爆はテヘラン北東郊外のパルディス地区を標的に行われ、ラリジャニ氏の娘の私邸が狙われたという。
従来の軍事施設への攻撃とは異なり、今回は特定人物を直接標的とした、いわゆる外科手術的に精密な攻撃だった。攻撃は瞬時に建物の中心部に直撃し、ラリジャニ氏と息子モルタザ氏、複数の警護要員がその場で死亡した。
関係者によると、2月28日にハメネイ師が襲撃された後、イスラエル側は数週間にわたりラリジャニ氏の動向を追跡し、情報収集を進めていたという。今回の作戦は、直近24時間以内にテヘラン市民から提供された精度の高い情報が決め手となっている。指導部が情報を受け、直ちに空軍に対し、約1600キロ離れた距離からの攻撃を指示したと伝えられている。
ラリジャニ氏が最優先の標的とされた理由について、専門家はその「代替不可能性」が大きいと指摘する。
ラリジャニ氏は宗教指導者の家系に生まれ、国会議長を12年にわたり務めたほか、国家安全保障最高評議会の事務局長も2度歴任した。宗教・軍事・政治にまたがる経歴を持ち、各勢力を統合できる数少ない人物とされる。
ハメネイ師の死後、イランでは大統領らによる暫定的な指導体制が構築されたが、この体制を実質的に機能させていた「中枢」がラリジャニ氏だった。
こうした中でのラリジャニ氏の死は、単なる個人の喪失にとどまらず、体制全体のバランスを揺るがす可能性があると指摘されている。今後、イランが強硬姿勢に傾くのか、それとも内部の不安定化に向かうのか、情勢の行方に注目が集まっている。
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