中東情勢によるナフサ供給制約 赤沢経産大臣の対応と社会への影響

2026/04/04
更新: 2026/04/04

中東情勢の混迷が長期化するなか、プラスチックや繊維の原料となるナフサの供給不足が、日本の産業や市民生活に影響を及ぼし始めている。

赤沢亮正経済産業大臣は、イラン情勢に伴うエネルギー供給不足の懸念に対し、「原油やナフサについて、備蓄の放出や代替調達を通じて、日本全体として必要となる量は確保できている」との認識を示した。一方で、一方で、大臣は『足元では、供給の偏りや流通の目詰まりが生じている』とも指摘。国全体としての在庫はあるものの、供給網の末端まで円滑に届いていない実態を認め、分野横断的な総点検を行う考えを示した

これを受け、政府は関係省庁が連携するタスクフォースを設置し、医療、物流、農業など分野横断的な総点検を開始した。赤沢大臣は「備蓄の放出を含め、あらゆる政策オプションを検討したい」と述べ、状況次第では国民に石油などの「節約」を呼びかける可能性にも言及している。

共同通信によると、日本の原油輸入の9割を支えるホルムズ海峡が事実上の封鎖状態にあるなか、2月26日に同海峡を封鎖直前に通過した『最後の原油タンカー』が、インド洋などを経て4月3日に東京湾の施設へ到着した。今後の供給は当面途絶える見通しであり、日本は米国などからの代替調達を進めている。

ロイター通信によると、米国からのナフサ輸出は過去最高水準に達しており、日本への輸出も2021年12月以来の高水準となっている。一方、世界的な争奪戦によりナフサ価格は高騰している。米国から日本への輸送運賃は紛争開始前の約2倍に上昇しており、コスト増の要因となっている。

ナフサはプラスチック、繊維、塗料、建材などの基礎原料であり、幅広い分野で使用されている。供給制約と価格高騰により、各分野で具体的な影響が出始めている。

FNNプライムオンラインによると、医療現場では、ナフサを原料とする注射器や手袋などの医療用品が値上げされている。物流・公共交通の分野では、前述の『流通の目詰まり』の影響が顕著に現れている。 軽油の確保が困難になりつつあり、一部の路線バスでは運行に必要な燃料を4月以降確保できるか目途が立たないといった、切実な状況が報告されている。

農業分野では、トマト農家でビニールハウスの暖房用灯油や包装用プラスチック製品の値上げが生じている。

生活用品・サービスにも影響が及んでおり、ガソリン価格の上昇に加え、新入生の制服や卒業式のバラといった物品にも値上げが広がっている。ガソリン価格については170円台を維持するため、政府による民間備蓄の放出開始に加え、国家石油備蓄基地への出動指示が行われている。

政府は「流通の隅々まで声を拾い、一つ一つ丁寧に潰していく」としているが、供給網の寸断が長期化すれば、さらなる生産停止や製品不足が生じる可能性がある。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます