ほぼ完全な遮断状態が88日間続いたイランのインターネット接続が、26日に部分的に回復した。ただし、イラン指導部内の亀裂は深く、相反するシグナルが発せられ続けている。イランが中国からネットワーク監視機器を輸入していた事実が明らかになったほか、政府高官が「永久断絶」の可能性に言及していることも判明した。
一方、イラン軍寄りのメディアは同日、行政裁判所がインターネット復旧を担う政府設置機関の活動を一時停止したと伝えた。
ネット状況監視機関「Netblocks」は26日、SNS「X」への投稿で「リアルタイムデータによれば、国際回線とほぼ完全に遮断された状態が2093時間続いた後、第88日目にイランの接続が部分的に回復した。これは近代史上最長の全国規模のインターネット遮断である」と発表した。
マスード・ペゼシュキアン大統領が設置した特別サイバー空間機関は25日の会合で、国際インターネット接続を2026年1月以前の状態に戻すことを賛成多数で決定した。
情報通信技術相のサッタール・ハシェミ氏は、この機関の初回正式会合で賛成9票・反対2票で復旧が決定されたと述べた。同相の副官は、全国の固定回線インターネットの復旧がすでに始まっていると明らかにした。
しかし、イラン支配層の内部分裂を反映し、発せられるシグナルは矛盾に満ちている。25日、イスラム革命防衛隊系のファルス通信社は、こうした命令を発する権限が政府にあるかどうか疑問視し、これらの制限は最高国家安全保障委員会が課したものであり、正式に撤廃できるのも同委員会に限られると主張した。
だが数時間後、ファルス通信社は社説の論調を軟化させ、インターネット再開放は「技術的・安全保障上」の必要な措置であり、ネット環境の改善に伴い「遅かれ早かれ」実現するものだとの見解を示した。
26日には、別のイラン軍系メディアが行政裁判所によるネット復旧機関の活動一時停止を報じたが、この情報はまだ確認されていない。
内部分裂の構図 中国製機器の輸入と「永久断絶」論
イラン国営放送の元局長で最高サイバー空間評議会の現委員、モハンマド・サラフラズ氏は、オンライン紙「ファラズ」の取材に対し、テヘランの各派閥が、一般市民の国際インターネットへのアクセスを制限しつつ、ごく一部の管理された集団にのみ接続を維持しようとしていると述べた。
同氏はさらに、イラン・イスラム共和国が「インターネットの永久遮断」を目的とした機器を中国から輸入していることを明らかにした。
ファラズ紙は消息筋の話として、イラン国営放送の現局長ペイマン・ジャベリ氏と最高サイバー空間評議会のモハンマド・アミン・アガミリ事務局長が、国際インターネットへの接続回復に最も強硬に反対していると報じた。
同紙によれば、両氏は会合終了まで一貫してグローバルネットワークへの再接続に断固反対し続けた。
とりわけ注目されるのはアガミリ事務局長の立場だ。最高サイバー空間評議会事務局長は大統領が任命する職であり、アガミリ氏は前政権時代に任命されたが、ペゼシュキアン大統領は彼をそのまま留任させた。その人物が、インターネット接続回復を主要施策の一つと公言しているペゼシュキアン政権と真っ向から対立しているのである。
中共の監視モデル輸出 人権への大規模侵害を懸念
ノースイースタン大学コンピュータサイエンス学部のローラ・エデルソン助教授は、在外イラン人向けメディア「イラン・インターナショナル」の取材に対し、イランを含む多くの国が、ウイグル族に対する中共の集中管理型インターネット遮断モデルへと向かいつつあると述べた。
同氏は、中共がコンテンツのフィルタリング、利用者監視、アクセス可能な情報の選択的管理に国家機構を用いており、中共に近い権威主義的な政府も、政治的に敏感な時期には締め付けを強め、経済活動が必要な時期には緩めるといった柔軟なネット監視システムを採用する傾向を強めていると指摘した。
民主主義防衛財団のシニア・リサーチ・アナリストで、米財務省制裁執行官を務めた経歴を持つマックス・マイズリッシュ氏は、中共が長年にわたって検閲技術と監視能力を権威主義的な友好国に輸出し続けてきたと述べ、こうした形態の検閲は「大規模な人権侵害を構成する」と懸念を表明した。
同氏は、中国とイランの間のネットワーク監視技術の移転を、人権侵害とデジタル抑圧の観点からより厳しく検証すべきだと提言した。
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