中国 厳しく規制される向精神薬が魚釣り業界に浸透していた

釣った本人は食べない…「安定剤入り」餌で釣った魚が市場や飲食店へ=中国

2026/06/15
更新: 2026/06/15

日本で魚釣りといえば、季節ごとにエサを選び、釣った魚を自分でさばいたり、行きつけの店に持ち込んで調理してもらったりして味わうのも楽しみの一つだ。自分で釣った魚だからこそ、そのおいしさも格別である。

しかし中国では、その常識が大きく揺らいでいる。

「少量を水に投入するだけで、魚が次々と食いつく」。そんな「爆釣エサ」が釣り愛好家の間で人気を集めている。

中国メディアの調査で、その正体が、向精神薬「ジアゼパム(安定剤)」を混ぜた違法な魚用餌であることが明らかになった。しかも、そうした危険な魚の餌で釣られた魚が、市場や飲食店を通じて消費者の食卓に流れているという。

ジアゼパムは、不安や緊張を和らげる医薬品で、中国でも厳しく管理されており、水産分野での使用は禁止している。

ところが、問題の餌はネット通販で堂々と販売、一部の商品は数万件も売れていた。四川省のある工場では、1日に10トン規模で生産していた。

業者自身も、「魚の警戒心がなくなり、逃げなくなる」と効果を認めている。その危険性を認識しているためか、自分では食べず、市場や飲食店に売る釣り人も少なくない。

専門家によると、ジアゼパムは魚の体内で分解されにくく、残留したまま人の口に入る可能性がある。長期間にわたって摂取した場合、中枢神経系への影響も懸念されている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!