兵庫県が平成12年度、公共事業用地の取得のために発行した「公共用地先行取得等事業債(用先債)」490億円を巡り、不適切な財政処理が行われていたことが判明した。
令和2年度の借り換え時には、本来、土地の売却収入338億円を除き、未売却分のみを借り換える必要があった。しかし、本来除外すべき売却収入を含めて490億円の全額を借り換える不適切な処理が行われていたことが、総務省の指摘により明らかになった。さらに担当部局からの報告により、この処理は当時の知事の指示に基づいて実施されていたことが判明した。
県が不適切な処理を是正するため、県債管理基金の残高から留保されていた338億円などを控除し、実質公債費比率を再計算したところ、単年度と3か年平均の指標が最大0.8ポイント悪化することが分かった。
近年の実勢金利の上昇を反映した試算では、対策を講じなかった場合、令和12年度に3か年平均の実質公債費比率が25.0%を超える見通しとなった。国から早期健全化団体に指定される深刻なリスクが生じている。
県は早期健全化団体への移行を回避し、財政を立て直すため、2段階からなる「公債費負担適正化計画」の策定を検討している。
第1段階では、令和8年8月以降、当面の危機を回避するため、合計1440億円を見込む特定目的基金から県債管理基金への積み替えを行う。令和9年度からは投資規模を現行から最低10%抑制し、実質公債費比率が25%を超えないよう管理する。
令和9年度に歳入・歳出全般にわたる改革を検討する中で、基金への積み戻しやさらなる投資削減についても検討を行う。それを踏まえた第2段階(令和10年4月以降)では、最終的に実質公債費比率を健全な水準とする18%未満に抑えることを目指す計画を策定する。
斎藤元彦知事は、長年にわたり先送りされてきた財政課題を「負の遺産」として明らかにし、将来世代に過度な負担を残さないよう着実に対処する方針を示している。痛みを伴う改革を進め、財政健全化と未来への投資の両立を図るとしている。
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