島根県で開催された第21回「竹島の日」記念式典において、自由民主党の有村治子参議院議員(総務会長)が党を代表して出席し、挨拶を行った。
「竹島の日」とこれまでの取り組み
島根県議会は、2005年(平成17年)に2月22日を「竹島の日」とする条例を可決した。竹島は歴史的にも国際法的にも日本固有の領土であるが、韓国によって半世紀以上にわたり不法占拠が続けられている。島根県は領土権確立のために国民世論の啓発が不可欠であると考え、国に対して繰り返し働きかけを行うとともに、この条例を制定した。領土問題は最終的に両国家間で解決されるべき課題であるが、地方自治体レベルからの世論喚起として毎年記念式典が開催されている。これまで自民党からの出席者はいたものの、今回、鈴木俊一幹事長の命を受けて党三役が同式典に出席するのは、21年目にして今回が初めてのこととなった。
有村治子議員のスピーチ
有村議員のスピーチは、領土問題への強い危機感と、平和的な安全保障政策のあり方について熱弁を振るうものであった。
日本固有の領土であることの再確認と危機感の共有
スピーチの冒頭で有村氏は、竹島が「歴史的にも、そして国際法上も明白に我が国の固有の領土」であり、国家の主権に関わる極めて重要な課題であると明言した。また、ドイツの法哲学者イエリングの「領土の一部を失って黙っている国民は領土の全てを失う危険を負う」という言葉を引用し、国民が領土問題に対して無関心であってはならないと警鐘を鳴らした。
「銃がいらない」最大の安全保障政策
有村氏は、真の平和の条件とは「ミサイルが飛んでこないだけではなくて、国境が明確に定められていること、そしてその国境を当事国がしっかりと尊重していること、国際社会が認証していること」であると指摘した。その上で、「我が国の領土がどこからどこまでなのか思いを致す、その国民の層を一人でも一ミリでも多くしていくことが、平時において最もコストがかからず、銃も一発もいらず、最も大事な安全保障政策であり、国土を守る国民運動だ」と力強く語った。
具体的な啓発活動の実績
自民党内での議論から生まれた具体的な実績として、東京にある「領土・主権展示館」の移動展示を提案し、沖縄県石垣市を皮切りに全国で展開していることを報告した。なお、同施設が「領土館」ではなく「領土・主権展示館」という名称である理由について、尖閣諸島などは日本固有の領土であり、他国と交渉すべき領土問題は存在しないという明確な立場を示すためであると説明した。また、日本の島の数が1万4125に及ぶことなど、具体的な知識の普及にも努めている姿勢を示した。
韓国との未来志向の関係構築
領土主権を強く主張する一方で、韓国が「我が国にとって基本的な価値と利益を共有する重要な隣国」であるという現実的な見解も示した。東アジアの平和と繁栄のために、日韓関係の良好な発展は不可欠であり、国益を鑑みて未来志向の関係を築いていく必要性にも言及した。
有村氏はスピーチの結びで、「竹島の日というものが、いずれ開かれなくてもいいような日が来るように努力をしていきたい」と語り、領土主権を守り抜く意思と粘り強い取り組みの継続を誓った。 今回、自民党の党三役が「竹島の日」式典に初めて公式に出席したことは、政府・与党として領土問題にこれまで以上に重きを置く姿勢の表れだと言える。今後は、国政レベルでの主導的な啓発活動(領土・主権展示館のさらなる活用や、教育現場への浸透など)がより一層強化されることが予測される。同時に、韓国との間では「未来志向の隣国関係」を維持しつつも、領土問題に関しては毅然とした外交的アプローチが継続されていくと考えられる。
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