高市首相 特殊詐欺「危機的な情勢」 口座売買を厳罰化 国民に対策呼びかけ

2026/08/14
更新: 2026/08/14

高市早苗首相は8月14日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、国内の特殊詐欺被害が過去最悪を更新し続けているとして、「異常事態」であり、危機的な情勢にあるとの認識を示した。政府が進める法改正や緊急対策を説明するとともに、国民に警戒と具体的な被害防止策を講じるよう呼びかけた。

高市首相によると、2025年の特殊詐欺被害額は約3257億円に上った。2026年上半期の被害額も約1816億円に達している。

特に深刻な手口として、著名人になりすました偽広告などを利用し、投資名目で金銭をだまし取る「SNS型投資詐欺」と、警察官をかたって捜査名目で金銭をだまし取る「ニセ警察詐欺」を挙げた。

口座売買の罰則を引き上げ

政府は、2026年7月に決定した「詐欺及びストーカー被害拡大防止のための緊急対策」を進め、被害の実態に応じて対策を継続的に見直す方針だ。

特殊詐欺に預貯金口座などが悪用されていることを受け、同年6月には犯罪収益移転防止法を改正した。改正法は、口座売買への罰則強化、送金犯罪に対する罰則の新設、被害金返還に向けた架空名義口座の活用を柱とする。

犯罪グループは自分名義の口座を使うと特定されやすいため、他人から買い取った口座などを利用する。

口座売買に対する罰則は、拘禁刑を従来の3倍となる3年以下、罰金刑を従来の5倍となる500万円以下へ引き上げた。

犯罪グループが資金洗浄を目的に、「バイト」などの名目で他人に送金を依頼する事例にも対応する。正当な理由がないにもかかわらず、有償で口座を利用した財産の移転を依頼したり、実行したりする行為などを新たな処罰対象とした。口座売買の厳罰化と送金犯罪に対する罰則は、7月10日に施行された。

被害金の返還に向けては、警察が金融機関などの協力を得て架空名義口座を開設し、口座売買を勧誘する犯罪者に譲渡するなどする仕組みを導入する。

国際電話の利用休止など求める

高市首相は、政府として匿名・流動型犯罪グループの壊滅に向けた対策に取り組む決意を示す一方、国民にも具体的な防犯対策を求めた。

SNS型投資詐欺については「絶対にもうかる」との話は虚偽だと認識し、投資する場合には必ず登録金融商品取引業者を利用するよう呼びかけた。

ニセ警察詐欺は国際電話番号から電話がかかってくる場合が多いとして、固定電話では国際電話の利用休止を申し込み、スマートフォンでは詐欺電話を遮断する警察庁推奨アプリを導入するよう求めている。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます