中国共産党(中共)による海外資産への課税強化が、株式市場からカジノに至るまで幅広い連鎖反応を引き起こしている。世界の高級ブランドも中国市場で苦戦を強いられており、主要25ブランドの7月の売上高は10%以上落ち込んだ。専門家は、中共の深刻な財政危機を背景とした強引な搾取は、まさに「池の水を抜いて魚を捕る」ようなものであり、目先の利益のために将来の財源を枯渇させる行為だと指摘している。
ブルームバーグが、業界データを追跡する3つの調査機関のデータを分析したところ、中国最大手の高級ブランド25社の7月の売上高は10%以上減少した。ルイ・ヴィトンやディオール、グッチ、ボッテガ・ヴェネタ、バレンシアガは、いずれも売上高が2桁減となった。エルメス、シャネル、プラダも大きな打撃を受けている。
今回の売上減少は、中共が富裕層の海外資産や投資収益に対する大規模な追跡・調査を進めるさなかに起きた。英フィナンシャル・タイムズによると、中共当局は超富裕層を標的として、数十年にわたって未納となっていた数千億ドル規模の税金を回収し、膨らみ続ける財政赤字の穴を埋めようとしている。
中国本土の資本市場に詳しい徐真さんは「中共による追徴課税をめぐり、多くの富豪は、これほど早く中共の『鎌』が振り下ろされるとは予想していなかった。心の準備ができていなかった人もいれば、中共に幻想を抱き、苦労して築いた財産を手放すことを惜しんだ人もいる。家族や仕事を捨てることもできなかった。そう考えれば、潘石屹は称賛に値する。追徴課税は小さな問題だ。何より重要なのは、身の安全だ」と述べた。
徐さんによると、富裕層は追徴課税を受け、90日以内に株式や不動産など、換金性の高い資産を急いで現金化する必要に迫られている。その結果、高級品への消費は減少する。これは、富裕層が中国経済の先行きに不確実感を抱いていることに加え、中共に対する恐怖を募らせていることを示している。
中国のエンタメ情報メディア「貴圈」によると、ここ1年間、ルイ・ヴィトンは中国国内の店舗網で大規模な「剪定」を進めている。首都の空港内にある店を閉鎖したのを皮切りに、中国南西部でも3店舗を相次いで閉鎖した。
ルイ・ヴィトンが貴州省で唯一展開していた貴陽市の荔星中心店も、31日をもって営業を終了する。同店は、貴州省の高級商業市場における空白を埋める役割を担っていた。2022年8月18日の開業初日には、売上高が1000万元(約2億円)を超えたという。
また、15年以上にわたって営業してきた雲南省昆明市の店舗は2月に閉店した。開業から5年だった四川省成都の空港内の店舗も、6月中旬に営業を停止した。
中国の企業情報検索アプリ「天眼査App」によると、ルイ・ヴィトンは中国で10社を超える支店・関連法人の登記をすでに抹消している。
米サウスカロライナ大学の謝田教授は、「現在、中国経済が低迷し、政府の財政収入も不足しているため、中共は富裕層の海外資産にまで税金の徴収対象を広げている。中共がパスポートを回収し、人々の出国を制限していることも、海外への資産流出を阻止しようとする動きと無関係ではない」と分析している。
謝田氏はまた、「富裕層は一段と身を縮め、恐怖から資金を隠したり、海外へ移したりするようになる。消費も冷え込み、とりわけ高級品への支出が減少する。中国で高級ブランドの店舗閉鎖や市場撤退が相次いでいるのも、こうした動きと無関係ではない。富裕層も中流層も高級品を買う余裕を失っており、高級ブランドの中国撤退は避けられない流れとなっている」と指摘した。
実際、中共当局が進める、ここ10年で最大規模ともいわれる国境を越えた金融締め付けは、目立った成果を上げていない。
先月の中国の小売売上高の伸びは0.6%まで鈍化し、宝飾品や自動車などの販売も2桁減となった。マカオのカジノでも、富裕層の賭け金額や訪問頻度が低下している。モルガン・スタンレーのMSCI中国指数も年初来8.9%下落し、世界の主要市場の中で最も低迷している。
徐真さんは「中共は富豪にまで海外へ手を伸ばし、刑事責任を利用した債務処理や海外資産への追徴課税を進めている。短期的には財政圧力を和らげるが、長期的には池の水を抜いて魚を捕るように将来の財源を枯渇させ、財政危機を深刻化させかねない。企業家は国家にとって貴重な財産だ。富豪への締め付けは信頼と投資意欲を損ない、資産の海外移転や人材流出を加速させる」と考えている。
徐さんは、中共のこうした政策によって、中国経済は発展の原動力とイノベーション力をさらに失い、財政も「水源のない水、根のない木」のような状態に陥ると指摘した。「中共が今進めているのは、将来を顧みず、目先を生き延びるための政策だ。将来、国民が将来、生活に困窮することになろうと、意に介していない」と語った。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。