テスラ 希土類を使わないCybercab用モーター発表 中国依存低減に注目

2026/09/07
更新: 2026/09/07

EV大手テスラは、レアアースを使用しないCybercab用モーターを発表した。中国共産党(中共)が世界のレアアースサプライチェーンで大きな影響力を持つなか、専門家は、この技術には重要な意味があるとみている。

テスラは現地時間9月3日夜、テキサス州オースティンで招待者限定のイベントを開催し、複数のSNSインフルエンサーらを新型車の試乗に招いた。

イベント開始の約2時間前、テスラは公式Xに「未来がオースティンにやってきた」と投稿。イーロン・マスクCEOのナレーションとともに、Cybercabを「人の監視を必要としない完全自動運転向けに初めて設計された車両」と紹介した。

Cybercabはロボタクシー向けに開発された2人乗りのEVで、ハンドルやペダルなど従来の運転装置を備えていない。テスラはすでにテキサス州で、ロボタクシー車両としてCybercab 45台を登録している。

テスラによると、Cybercabには新型の駆動モーターが搭載されている。従来の高性能駆動ユニットと比べて18%小型化し、25%軽量化したうえで、効率も向上したという。

マスク氏本人はイベントに出席しなかったが、その後Xへの投稿で、このモーターにはレアアース金属を使用していないことを明らかにした。

EV専門メディア「Electrek」は9月4日付の分析記事で、レアアースを使わないモーターは、自動車をはじめとする多くの産業にとって重要な意味を持つと指摘した。

記事によると、EVにおけるレアアース依存の主な問題は、バッテリーではなくモーターにある。EVのモーター1基に使われるレアアース元素は約1キログラムにすぎない。1台当たりでは多くないものの、大量生産になれば需要は急速に膨らむ。

レアアース元素そのものは極端に希少な資源ではない。しかし、加工・精製能力が中国に大きく集中していることが問題となっている。

中国は世界のレアアースサプライチェーンで重要な地位を占める。このため、各国企業の間では供給の安定性に対する懸念が高まっている。世界的な貿易環境や地政学情勢が変化するなか、重要資源の供給集中をめぐる問題は、この1年で一段と顕在化している。

先ごろ終了したG20財務相・中央銀行総裁会議でも、各国が懸念する貿易不均衡に加え、中共が重要鉱物の加工分野での優位性を利用してレアアースの輸出を制限している問題が、G20各国の主要な関心事の一つとなった。

ロイターが9月4日に報じたところによると、中国の一部のレアアース供給業者は、中共当局による処罰を恐れ、アメリカの顧客への出荷を拒否している。

こうした動きは、中共によるレアアースや重要鉱物の輸出規制がアメリカ企業のサプライチェーンを引き続き混乱させていることを改めて示している。この問題は、今月予定される米中首脳会談でも主要な論点の一つとなる可能性がある。

事情に詳しい関係者によると、中共によるレアアース輸出規制が続いていることを受け、米側はこの問題を、中共党首の習近平が9月24日にホワイトハウスを訪問する際に協議する議題の一つに加えた。

調査会社ロジウム・グループの地政学ストラテジスト、レバ・グジョン氏は、サプライチェーンのボトルネックが米中首脳会談の焦点になる可能性があると分析した。会談の前後に、中共当局が重要原材料の輸出規制を多少緩和する可能性があるとの見方を示している。

任義