中国共産党(中共)が今年3月に打ち上げた、軍事利用を目的としているとみられる偵察衛星が、地球周回軌道上で解体した。米宇宙軍は先週、広範囲に拡散した多数の破片を追跡した。衛星の崩壊原因をめぐり、ネット上ではさまざまな憶測が広がっている。
一方、アメリカは宇宙兵器を配備していることを初めて公に認めた。
中国衛星が崩壊 宇宙デブリに
「Jfeedニュース」が9月14日に報じたところによると、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの元軌道分析専門家ジョナサン・マクダウェル氏は、米宇宙軍第18宇宙防衛飛行隊が9月4日、中国の「遥感50号(02)」の解体で生じた破片を追跡対象として登録したと明らかにした。
同衛星は3月15日、太原衛星発射センターから長征6号Aロケットで打ち上げられ、高度約952キロの予定軌道に投入された。軌道傾斜角は約141度で、地球の自転方向とは逆向きの逆行軌道を周回していた。
これまでに少なくとも43個の追跡可能な破片が確認されている。破片は高度約600~1100キロに広がっており、この軌道には長期間とどまる可能性がある。
崩壊原因は不明 中共側は説明せず
崩壊の原因は現時点で明らかになっていない。分析関係者は、推進システムやバッテリーの故障、既存の宇宙デブリとの衝突などが考えられるとしているが、原因は特定できていない。
中国側はこれまで、この件について公に説明していない。ただ、中国の「Spacemapper」と呼ばれるデブリのカタログシステムには4個の破片が記録されており、中国側のセンサーも今回の崩壊を検知したとみられる。
破片は現在、地上約600~1100キロの高度にある。この高度では大気抵抗がほとんどないため、高度が下がって大気圏に再突入するまで数十年、あるいはそれ以上かかる可能性がある。
高度約600キロ未満の破片は通常、数年以内に大気圏へ再突入するが、1千キロを超えるものは数百年間残る可能性がある。これらの破片は元の衛星とほぼ同じ軌道傾斜角を保っており、混雑する低軌道でほかの宇宙機の軌道と交差する。
ネット上で崩壊原因めぐり憶測
中国衛星が宇宙空間で崩壊し、多数の破片が発生したとの情報が伝わると、ネット上で注目を集めた。
SNSでは、中国共産党(中共)当局がイランに衛星による偵察情報を提供し、米軍に死傷者が出たため、その報復として米宇宙軍が中共の衛星を破壊したとの情報も流れた。ただ、現時点でこの説を裏付ける証拠はない。
マクダウェル氏もネットユーザーからの質問に対し、「いや、絶対に違う。バッテリーの爆発か、宇宙デブリとの衝突だ」と答えた。
これに関連し、ウォール・ストリート・ジャーナルは先ごろ、米当局者の話として、イランが7月17日にヨルダン北東部のムワッファク・サルティ空軍基地を弾道ミサイルで攻撃した前後に、中共から高解像度の衛星画像を入手していたと報じた。
この攻撃では米兵3人が死亡し、複数人が負傷した。北京当局はこの指摘を否定している。
米国、宇宙兵器の配備を初めて認める
CBSニュースが9月15日に報じたところによると、米空軍トロイ・マインク長官は14日、メリーランド州で開かれた航空・宇宙・サイバー会議で、アメリカが「敵対行為から統合部隊を防衛できる軌道上の宇宙制御兵器」をすでに配備していると明らかにした。
アメリカが宇宙兵器の配備を公に認めたのは初めて。マインク氏は、兵器の具体的な種類や運用方法については説明していなかった。
マインク氏はまた、空軍が自律型システムの導入を進めていると説明した。2032年までに空軍は大きく様変わりし、一方向攻撃型ドローンが砲兵に代わる主要な攻撃手段になる可能性があるとの見方を示した。
さらに、AIが戦場を変えつつあると指摘し、米軍は戦闘力の強化と技術革新をこれまで以上に速める必要があると述べた。
CBSによると、米宇宙軍は、中共が軍事力近代化の一環として宇宙・対宇宙能力を開発・運用していると分析している。また、ロシアについては、宇宙を作戦領域と位置付けているとしている。トランプ大統領は2019年、米宇宙軍を創設した。
1967年の宇宙条約は、核兵器などの大量破壊兵器を地球周回軌道に配備することを禁じている。一方、通常兵器などは禁止されていない。
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